創薬ベンチャー、エヌビィー健康研究所(本社・札幌市北区)の髙山喜好代表取締役(53)は、北海道のスタートアップと支援機関などで組織する「北海道インデペンデンツクラブ」(13日、札幌市中央区の札幌証券取引所で開催)で事業概要と今後の方針などについて発表した。(写真は、事業計画を発表するエヌビィー健康研究所の髙山喜好代表取締役)

 エヌビィー健康研究所は、東大薬学部・大学院博士課程修了後、大正製薬医薬研究所主任研究員を10数年間務めた髙山氏が2006年に埼玉県で起業。12年に出身地の札幌にUターンして札幌市北区の北大ビジネススプリングに本拠を構えた。
 創業当初は開発受託の下請け的仕事をメインにしていたが、2016年に新規バイオ医薬品のシーズ探索企業に事業を切り替え、「我々自身がパイプライン(新薬候補)の開発から臨床開発(承認前の薬剤を患者や健康な人に投与することによって効果や安全性、副作用などのデータを収集する臨床試験のこと)まで行うバイオテック企業として成長していくことに方針を変えた」(髙山氏)

 現在は、呼吸器疾患、慢性炎症や感染症を中心とした革新的な新薬の研究開発に特化しており、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に対する医療用機能性抗体医薬をつくるのがビジネスモデルとなっている。
「血圧の薬や糖尿病の薬のようにGPCRを標的にした飲み薬は低分子医薬品としての開発が進んでおり、医薬品の世界売り上げ上位20品目の40%がこのタイプ。しかし、GPCRを標的にした薬を抗体医薬の切り口でアプローチしているのは、世界中で偏頭痛向け医薬品2品目しかない。GPCRを標的にした抗体医薬は、成功確率が高く医薬品開発に繋がりやすい特徴がある」と髙山氏。

 同社は、16年にGPCRを標的にした抗体取得技術のプラットフォームを開発、『MoGRAA(モグラ)』の名称で現在は、複数の抗体をパイプラインとして研究開発中。「ニッチな領域だが、そこに特化することによって効率よく様々なシーズを探索できるようになっている」(髙山氏)

 GPCR抗体取得技術を利用することで、最初の医薬品のアイデアをいつでも変えられるのも同社の特徴になっている。「最初に慢性炎症の薬をつくろうと思っていても、途中で抗がん剤に向いていることが分かればそちらに進むこともできる。従来のペプチド医薬品や低分子医薬品では、途中で標的にしている病気を変えることはできない。それを自由に途中で変えられるのも抗体創薬の特徴」と髙山氏は言う。

 新薬開発に携わって革新的な医薬品を出すのが同社のミッションとなっているが、髙山氏は「東京で成功させることは可能だが、私はこのミッションを札幌で成功させたい。札幌で成功させることによって地域経済に貢献するのが私の願い」と締めくくった。



5人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。