パチンコ・パチスロ店を展開している太陽グループ(本社・札幌市中央区)が、パチンコ店の閉店を加速している。2020年の年明けは全35店舗あったが、これまでに5店舗を閉店した。10月11日には1店舗を閉店、さらに複数の閉店候補が挙がっている。来年にかけて閉店数は20年年初比の25%に達する見通し。(写真は、10月11日で閉店する「パーラー太陽 厚別中央店」)
閉店は出玉規制による競争激化で客数が減少しているためだが、コロナ禍による営業自粛なども響いたようだ。パチンコ業界では感染防止対策を徹底、パチンコ台の左右にはアクリル板を設置、換気回数を増加するなどしているが、休日の日中でも来店客はまばらという状態が店舗によってはある。
どの業界も同様だが、閉店にはコストがかかる。賃借物件で期間満了前であれば違約金支払いが必要になる場合もある。また、原状復帰費用など後ろ向きの支出もある。閉店には特別損失が発生する場合が多く、これらを吸収できる資金力が必要となる。
太陽グループは、今年に入ってから既に5店舗を閉店したが、10月11日(日)には「厚別中央店」(札幌市厚別区厚別中央3条4丁目6ー20)の営業を終了する。同店は、国道12号線沿いの厚別警察署の向かい側に2003年10月にオープンしたが、17年目で閉店する。
さらに、複数の閉店候補も俎上(そじょう)に上っており、20年年明けから21年にかけて、閉店数は二ケタに近づきそうで閉店数は20年年初の25%になる見通し。ただ、こうした閉店は、計画的な閉店とみられ、閉店店舗の跡地利用についてはマンション用地として売却が予定されていたり、同業への譲渡も選択肢となっていたりするなど、経営へのダメージはある程度吸収できそう。
太陽グループのパチンコ・パチスロ店舗数は、18年の年初は全37店舗だった。21年の年明けには26店舗前後と18年年初比で30%に近い店舗が閉店することになりそう。道内大手パチンコ・パチスロ店運営会社の中で、同社の閉店数は群を抜いて多い。こうした素早い事業再構築が数年後にどう実を結ぶか、注目される。