北の達人コーポレーションが札証アンビシャス上場、木下勝寿社長は関西出身、事業失敗で再起目指し北海道に移住した変り種

経済総合

 オリジナル健康食品や化粧品、雑貨をインターネット販売する北の達人コーポレーションが29日、札幌証券取引所アンビシャス市場に上場した。アンビシャス市場で14社目の上場で広告代理業インサイト以来4年3ヵ月ぶり。名古屋証券取引所や福岡証券取引所では4年以上新規上場がなく、地方証取市場として札証が最初に停滞感を打破したことで全国的にも注目されそう。(写真は、有価証券上場通知書の交付式。右が木下勝寿社長、左は小池善明氏)
 
 北の達人は、2002年5月に設立され、道産のてん菜や牛乳、樹木から抽出されたオリゴ糖を主原料にした健康食品『カイテキオリゴ』を主力商品にしている。年商は8億700万円(12年2月期)。
 
 創業社長の木下勝寿氏は、兵庫県神戸市出身。関西で事業に失敗、10数年前に再起を目指して北海道に来たという。
 
「北海道は資源が豊富で、再起のチャンスがあるのではないかと考え移住してきた。当面の目標である上場を果たし、チャンスがいっぱいあることを示すことができたが、上場が目的ではなく北海道を代表する企業を目指したい」と抱負を語った。
 
 また、札証の小池善明理事長は、「北の達人は、北海道の高い品質の食原料を使い新しいビジネスモデルを確立したトップバッターだ。6月からアンビシャス市場を次の成長市場に向けた入り口市場として変えていくが、北の達人もより高い次元の市場を目指して欲しい」とエールを送った。
 
 初値は935円で公募価格の1100円を下回り、終値は980円と厳しい船出となったが、木下社長は「今、売られた方はもったいないと思う」とコメントした。
 
 木下社長は、アンビシャス市場からできるだけ早く札証本則市場にステップアップすることを表明しているが、「私の先輩がマザーズに上場して最短8ヵ月で東証に上場を果たしている。この記録を抜きたいという思いもあるが、早期に成果を出したい」と意欲を隠さなかった。

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