JXホールディングスが製油所合理化計画を打ち出している中、以前からその対象になるのではと危惧されている室蘭製油所の存続に向け、道庁高官のJX詣でが続いている。同社は2013年3月末までに約20万バレルの製油所能力の削減を実施する計画。まだ閉鎖する製油所は決まっていないが、道は室蘭製油所の存続に向けた要請活動を強め合理化計画の対象から外すよう求めていく。
 
 新日本石油と新日鉱ホールディングスが10年4月に経営統合してJXホールディングスが誕生して以降、子会社で石油精製販売のJX日鉱日石エネルギーが全国の製油所合理化計画を進めている。
 
 コスト削減額を800億円とし、製油所の精製能力を10年4月時点の日量189万バレルから11年3月末までに40万バレル、さらに13年3月末までに20万バレルの削減を計画している。
 
 JX日鉱日石エネルギーでは、製油所単位での設備廃棄で20万バレルの削減を行う計画で、この精製能力を持つ製油所がちょうど室蘭製油所に当たるため地元をはじめ道などでは危機感を強めているというわけ。
 
 石油元売りの各社は、過剰設備の削減で石油精製事業の収益改善を急いでおり、これまでにも昭和シェル石油や出光興産がそれぞれ10万バレル超の削減を実施、コスモ石油も削減に取り組んでいる。
 
 JXの室蘭製油所閉鎖が現実になれば、雇用や経済の低迷が避けられないため道庁では副知事など高官がJX詣でを積極化、地元の声を届ける活動を今まで以上に強めている。


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