札幌の経済変化を示す時間貸し駐車場の出現、森トラスト所有一等地が「タイムズ」に

経済総合

 札幌市中央区大通西5丁目の農林中金札幌支店跡地837坪(2763・23㎡)が、タイムズ24(本社・東京都品川区)運営の「タイムズ駐車場」として7月15日にオープンする。収容台数は100台規模で、札幌中心部で減少傾向だった時間貸し駐車場が反転増加するきっかけとなりそう。(写真は、7月15日から利用開始になる森トラスト所有の旧農林中金札幌支店跡地。奥の2階建て建物は日本銀行札幌支店)

 大通西5丁目の旧農林中金札幌支店は1959年に建設された地下1階、地上4階の瀟洒(しょうしゃ)な建物として知られていたが、同支店は2016年5月、北洋銀行本店や本部が入っている大通西2丁目の北洋大通センターの2フロアを取得して移転。移転後の土地建物は、同年7月に森トラスト(本社・東京都港区)が取得した。3年間は空きビルのままだったが、昨年秋から岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)と本間解体工業(同・同市西区)が解体工事に着手、今年6月初めには更地になっていた。

 森トラストは、建物解体後に同社が首都圏やリゾート地で展開している高級外資系ホテルの建設を予定していたが、コロナ禍で札幌市内のホテル環境が激変、収束後も見通せないとしてホテル計画を撤回。当面タイムズ駐車場として活用することにした。

 収容台数は100台規模で北大通に面しており中心部にも近い。昨年まで、中心部の時間貸し駐車場はホテル建設やオフィスビル建設のため閉鎖されることが多く、駐車場不足が表面化していた。今回の比較的大規模な時間貸し駐車場の登場は、コロナ下の経済環境を端的に示すものと言えそう。ホテルやオフィスビルの新規投資に急ブレーキがかかる中、時間貸し駐車場は反転増加することになりそうだ。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER