「いきなり!ステーキ」の低迷で事業再構築を進めているペッパーフードサービス(本社・東京都墨田区)が、低価格ステーキ店の「ペッパーランチ」事業を売却する可能性が出てきた。共同通信社が18日に報道したものだが、ペッパーフードサービスは否定。外食事業は嵐の時代を迎えた。(写真は、2018年12月20日にオープンした直営の「ペッパーランチ苫小牧店」)

 共同通信によると、新型コロナウイルスの感染拡大で一段と低迷している「いきなり!ステーキ」事業の立て直しのため、主力の「ペッパーランチ」事業を売却。売却で得られる約100億円を充当するというもので、売却先として食肉卸大手のエスフーズ(西宮本社・兵庫県西宮市)やコメ卸最大手の神明ホールディングス(本社・神戸市中央区)の連合が上げられている。これに対して、ペッパーフードサービスは、「当社事業の売却を含め、財務体質の健全化に向けた各種検討を行っているが、決定した事実はない」と適時開示している。

 同社の2019年12月期決算によると、「ペッパーランチ」事業の売上高は87億8800万円、営業利益は12億2500万円。「いきなり!ステーキ」事業は売上高571億2900万円、営業利益19億2400万円。 店舗数は、「ペッパーランチ」が国内フランチャイズ(FC)113店舗、海外FC339店舗、直営62店舗など全525店舗。「いきなり!ステーキ」は国内FC169店舗、直営290店舗など合計493店舗となっている。

 コロナ禍で3月以降は両事業ともに国内全店ベースで前年同月比7割減の状態が続き、とりわけ「いきなり!ステーキ」の5月度売上高は全店ベースで前年同月比23・1%となった。道内の「ペッパーランチ」店舗は、札幌市内の「新さっぽろカテプリ店」(厚別区)、「アリオ店」(東区)のほか「苫小牧店」(苫小牧市)、「イオンモール旭川駅前店」(旭川市)の4店舗。「いきなり!ステーキ」の道内店舗は、16年12月9日にオープンした「新さっぽろカテプリ店」(札幌市厚別区)から始まり、3年弱で15店舗になったが、これまでに4店舗を閉店し現在は11店舗となっている。


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