札幌市中央区南3条西1丁目の「スガイディノス」原点の地から店舗が消えて8ヵ月、「ディノス札幌中央ビル」に最後まで残っていたテナントの「カラオケまねきねこディノス札幌中央店」も1月13日に撤退したことからビルの解体・建て替えが具体化する。ビル正面に掲げられている『DINOS』のロゴマークもいよいよ見納めの時を迎えている。(写真は、空きビルになり解体を待つ「ディノス札幌中央ビル」に残る『DINOS』のロゴマーク)
北海道の総合エンターテインメント企業、スガイディノス(本社・札幌市中央区)の原点、「ディノス札幌中央ビル」が竣工したのは1968年10月。地下2階、地上8階建てでスガイディノスの前身、須貝興行が札幌須貝ビルとして建設したものだ。当初は土地建物とも自社所有だったが、その後、スガイディノスがゲオや健康コーポレーション(現RIZAPグループ)と資本業務提携を繰り返す過程で、土地建物の所有者はゲオディノス、SDエンターテイメント、タツミプランニングと変遷。
2018年末、SDエンターテイメントのエンタメ部門がRIZAPグループを離れ、北海道SOキャピタルが全株を取得、「スガイディノス」して再スタートを切ったのは周知のとおりだ。
地場独立系エンタメ企業の原点に戻ったスガイディノスだったが、土地建物を所有していたRIZAPグループのタツミプランニングとの契約満了で同ビルの開業当時から展開していたゲームセンターやボウリング場、映画館は19年6月2日、多くのファンに惜しまれながら閉店した。
閉店3ヵ月前の19年3月、「ディノス札幌中央ビル」の土地建物はタツミプランニングからクラシックの所有に変わった。クラシックは大阪府大東市に本社を置き、ゴルフ場運営や不動産事業を手掛けるRIZAPグループとは関係のない企業。北海道には「北海道クラシックゴルフクラブ」(勇払郡早来町)、「北海道ゴルフ倶楽部」(苫小牧市錦岡)、「帯広白樺カントリークラブ」(河東郡音更町)を運営しており、バブル期から北海道で事業を展開している。同社が取得した「ディノス札幌中央ビル」の土地建物には、大同信用組合(本店・大阪市西区)が極度額22億8000万円の根抵当権を設定している。
ともあれ、「スガイディノス」原点の地が閉店して8ヵ月、最後まで営業を続けていた「カラオケまねきねこディノス札幌中央店」も撤退したことでクラシックはビルの建て替えを具体化するものとみられる。新しく建設されるビルの概要は分かっていないが、再び「スガイディノス」が入ることはない。現在は空きビル状態になっている「ディノス札幌中央ビル」はシャッターが閉ざされ時が止まったかのようだが、正面入り口にある『DINOS』のロゴマークは今もネオンに照らされている。やがて始まる解体の時までロゴマークは孤高の輝きを放つのか。