土屋ホールディングス(本社・札幌市北区)の土屋公三創業者会長(78)が全経営ノウハウを1年間にわたって直接講義する「人間社長塾」の合同大会」が13日、土屋HD本社会議室で行われた。1期生から現在の10期生まで約100人が集まり、塾生代表5人がそれぞれ経営する企業の事業概要や社長塾で学んだことなどの発表を行った。(写真は、人間社長塾合同大会で挨拶する土屋公三・土屋HD創業者会長)
(写真は、ノースジニアス・安藤圭佑代表取締役)

 最初は10期生3人がそれぞれ発表。リサイクルショップや介護福祉事業などの企業を傘下に持つノースジニアス(札幌市豊平区)の安藤圭佑代表取締役(37)は、30歳で起業、現在はグループ従業員70人、年商7億円のグループを率いる。トップの責任を「絶対に潰れない会社をつくること」と捉え、東日本大震災で年商10億円以上の企業は1社も倒産しなかったことを掲げ、「当社グループも年商10億円達成のため攻め続ける」と述べた。

(写真は、よい会社・小岩良代表取締役)
 IT企業や広告代理店などの企業研修を行う、よい会社(東京都千代田区)の小岩良代表取締役(48)は、会社員生活を送っていた30歳のころにうつで引きこもりになったが、自宅のある岩手県で東日本大震災に遭遇。「本当にこの人生で後悔はないのかと考え、自分の強みを生かして起業しようと考えた。そのために徹底的に自分の強み弱みを踏まえて目指す事業の全体像を再構築した」と話した。

(写真は、クローバー・田中雅世代表取締役)
 保育士から28歳で起業、札幌市内で保育園や児童デイサービスなど6園を展開するクローバー(札幌市北区)の田中雅世代表取締役(34)は、「保育士は天職だと思ったが多忙でプライベートな時間もなく“帰れない、休めない”状況が続きイライラが募った。自分で働きやすい保育園をつくろうと起業した」と述べた。「やって無理なら仕方がないが、やる前からあきらめないのが信条。保育園認可を巡る行政との交渉では“前例がない”ということに翻弄されたが、最近はこの言葉がプラスの言葉と感じるようになり最大のチャンスだと思うようになった」と訴えた。

(写真は、ネットドア・濱田芳彰代表取締役CEO)
 続いて7期生でデジタルサイネージをワンストップで提供するネットドア(札幌本社・札幌市中央区)の濱田芳彰代表取締役CEOは、自社商品の自動ドアを利用したデジタルサイネージを紹介、「パチンコひまわりの八戸店リニューアルに合わせて設置したのが日本初の事例。75%の透過率がありドアが自動発光して映像を流せるためあらゆる場所に使える。自動ドアの再発明だ」と話した。また、鏡を使ったサイネージも紹介、「固定概念を捨てシンク・ディファレントを貫けば新しいもの役立つものがつくれると確信している」と語った。

(写真は、HGO・越後諒治代表取締役)
 最後に6期生でザンギ専門店を小樽で開いているHGO(小樽市)の越後諒治代表取締役(33)が登壇、自らを「人間社長塾を卒塾してから唯一経営破綻をしかけた塾生」と紹介。2015年ころ、スープカレー屋をしていた越後氏は借金1500万円、従業員ゼロ、家庭内の不和など負の状況に陥り、札幌で一発逆転を狙ったがそれも失敗。金なし、友人なしの状況が続いた末に「事業がうまくいかないのは自分の性格のせいだ」と心理カウンセラーに相談。
 4回カウンセリング受けたところ自分の長所、短所が客観的に認識できたという。そこで小樽堺町通りの店舗でザンギ屋を始めた。しかし、怪しい中国ビジネスの話に乗ってしまい借金をつくってしまった。残ったのは鶏肉30万円のみ。「その支払いを待ってもらうため仕入れ先に出向くと『君を騙した人が許せない』と私ではなく騙した人に怒りをぶつけてくれたことにハッとした。そのこともあってモノの見方考え方が変わった。これまでの失敗は自分が『うまくいかない』と心のどこかで考えていたから。成功を信じてしっかりやろうと考えた。人生は自分の考えた通りになることが心の底から理解できた」と話した。


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