約1900坪(6300㎡)の旧札幌西武跡地を所有するヨドバシカメラ(本社・東京都新宿区)や北海道建設会館など札幌市中央区北4西3街区の地権者16者が23日、再開発の準備段階となる「再開発準備組合」を設立した。今後、具体的に事業を進める再開発組合に発展させ再開発計画を策定、21年度にも着工、20年代半ばの竣工を予定する。(写真は、大阪駅北口のヨドバシ梅田。既存建物に密着してホテルなど入る新タワーが建設されており19年秋にヨドバシ梅田タワーとして全面開業する)

 JR札幌駅の南口すぐの北4西3街区(約1ha)一体再開発は、2011年に旧札幌西武跡を取得したヨドバシカメラが当初乗り気ではなかった。ヨドバシカメラは単独での開発を進めようとしていたが、ネット販売の急速な普及でリアル店舗の在り方が大きく変わり、そうした経済情勢の変化がヨドバシカメラの背中を押し、札幌市がお膳立てした街区の一体開発に道が開けた。

 他の地権者は北海道建設会館、平和不動産、交洋不動産、成友ビルなど16者。ヨドバシ以外の地権者の内2~3者も当初はテーブルには付くものの一体開発には同調していなかったが、市の要請などを受けて軟化、再開発の前提となる「準備組合」の発足に漕ぎつけた。

 想定されている再開発ビルは、高層部にホテルやオフィス、低層部にヨドバシ店舗や商業施設など入るもの。ホテルに関しては、札幌パークホテルが生まれ変わる「ヒルトン」のような世界的ホテルチェーンの誘致が期待されている。
 街区一体開発となれば、1000億円近い投資が必要になると目され、昨年10月に誕生した再開発ビル「さっぽろ創成スクエア」よりも投資額は大きくなる見通し。国や市の再開発補助金は10~15%程度とみられる。2030年度の北海道新幹線札幌延伸を前に塩漬けだった土地を含む街区が新しい札幌の顔づくりに歩み出した。



24人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。