企業法務に特化した人材紹介や派遣、情報サイトを運営しているMoreーSelections(本社・東京都渋谷区)は、札幌の企業法務Matchingと協力して企業法務家交流会(MSサロン)を18日に札幌市内で開催した。東京、大阪、名古屋で100回以上の開催実績があるMSサロンだが、札幌では初開催。道内企業の法務担当者など42人が参加した。(写真は、札幌で初めて開催された企業法務家交流会で講演する岡崎拓也弁護士)
M&Aや提携、事業承継、コンプライアンス、バイトテロ問題など企業や団体には法的根拠に基づく行動が求められているが、道内では法務部門が整備されている企業や団体は少なく、法務担当者同士の交流も進んでいない。
サツドラホールディングス(HD、本社・札幌市北区)の法務担当者である久保智人さんは、こうした状況を打開するため副業として道内に企業法務を根付かせる『企業法務Matching』を設立、企業法務の裾野を広げる活動を今年から始めた。
札幌でのMSサロン初開催は、その第一歩となるもので、アークスや石屋製菓、伊藤組土建、カナモト、セコマなど24社のほか法律事務所などから42人が参加した。
最初に、道内上場会社であるホクリヨウの監査役やフルテックの監査等委員を務める岡崎拓也弁護士が、『スタートライン企業法務』と題して講演。企業の法務担当者に要求される力量や企業の顧問弁護士、社外役員に要求される企業法務対応、さらに債権法の改正、民事執行法の改正について説明した。
岡崎氏は、「企業の法務担当者はAIやIoTなど技術の進化と社会意識の変化など時代の流れに感度がないといけない。また、顧問弁護士との架け橋の役割を担うなど様々な能力が要求される。株主総会で弁護士を同席させたいという株主にその場で対応するような知識も必要だ」などと話した。その後、参加者同士の立食による交流会が行われた。次回の札幌でのMSサロンは10月ころに予定されている。