セイコーマートと北洋銀行は、札幌市が発行する地下鉄IC乗車券「SAPICA」の普及に向けたサービスを始める。セイコーマートが、28日から市内295店舗で「SAPICA」を電子マネーとして利用できるようにするほか、北洋銀行は自行のキャッシュ・クレジットに「SAPICA」を一体化した「cloverSAPICA」の入会キャンペーンを実施、1000円のキャッシュバックを行うサービスを始めている。伸び悩んでいた「SAPICA」の普及拡大に弾みがつきそうだ。
「SAPICA」は09年1月から地下鉄IC乗車券として利用が始まり、今年4月からは北洋銀と共同開発して電子マネーとして利用できるようになった。
電子マネー機能が付加されたが、利用できる商業店舗が10月末現在で市内130ヵ所程度しかなく広がりが限定的だった。
北洋銀は、4月に「clover」カードに「SAPICA」を搭載して1枚3役の「cloverSAPICA」の発行を開始したが、10月までの半年間での発行枚数は3000枚にとどまっていた。
普及には電子マネーとして利用できる店舗数を増やすことが不可欠。
セイコーマートは今年7月に札幌市と「さっぽろまちづくりパートナー協定」を締結、その一環としてセイコーマートの札幌市内295店舗で28日から「SAPICA」を電子マネーとして使えるように決済システムを改良した。
セイコーマートの店舗で利用すると、支払い1回ごとに支払い総額の0・5%(200円につき1ポイント)のSAPICAポイントが溜まり、それを地下鉄乗車で利用できる。ただし、ポイントは電子マネーの支払いには使えない。セイコーマートでは12月25日までの期間、支払い総額の5%(20円につき1ポイント)の上乗せを行う。
また、北洋銀では「cloverSAPICA」のホルダーになって3ヵ月以内にオートチャージ(自動入金)サービスを利用するだけで1000円をキャッシュバックするキャンペーンを始めている。期間は来年3月30日まで。北洋銀では当初の年間目標である1万2000枚の発行を目指している。
札幌市は、2013年度中に市電や路線バスに「SAPICA」が利用できるようにするほか、JR北海道が発行している地下鉄や市電、路線バスに「Kitaca」も使えるようにシステム改良する。
「SAPICA」の発行枚数は9月末で約24万枚。市は、セイコーマートや北洋銀の普及拡大のサービスや市電、路線バスへのサービス開始で13年度には80万枚まで増えると見込んでいる。