土屋ホーム(本社・札幌市北区)は、東京電力グループのTEPCOホームテック(同・東京都墨田区)と組んで3月1日から初期費用無料で定額利用できる住宅用太陽光発電システム「ソーラーエネカリ」の提案を始めた。住宅用太陽光発電システムの所有から利用への転換を進めていく。(写真は、土屋ホームとTEPCOホームテックの「ソーラーエネカリ」共同記者会見)

 TEPCOホームテックの「ソーラーエネカリ」は、太陽光で発電した電気の自家消費で電気料金を削減、その電気料金削減分を用いて太陽光発電システムの設置料金と利用料金を定額で支払う仕組み。余った電力は固定価格買い取り制度によって売電、収入を得ることも可能。住宅オーナーは、初期費用ゼロで太陽光発電システムを屋根などに搭載することができる。

 土屋ホームが提案する太陽光発電システムは、実発電量が高くて意匠性にも優れたソーラーフロンティア(本社・東京都港区)のCIS(銅・インジウム・セレン)型薄膜太陽電池。24時間365日のアフターメンテナンスの受付を完備しているほか、10年間の保証サービスがあり自然災害時の損害にも対応する。また、利用契約が満了する10年後には無償譲渡される。

 TEPCOホームテックの試算によると、オール電化戸建て住宅4人家族の電気料金は月額約2万6000円。「ソーラーエネカリ」を使うと自家消費と売電で約1万1000円圧縮され約1万5000円になり、圧縮分がシステム設置料金とリース料金に充当される。支払う総体の料金は変わらないが、10年後に無償譲渡され、売電期間は終了するものの自家消費で電気料金が圧縮される。

 住宅用太陽光発電システムの初期費用は通常100万円以上必要。このため、市場の広がりには限界があったが、「ソーラーエネカリ」によって市場拡大に繋がりそう。災害による停電時にも利用できるため、省エネと災害に強い住宅づくりに期待できる。


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