北海道経済産業局は20日、札幌市中央区の京王プラザホテル札幌で2018年度「北国の省エネ・新エネ大賞」の表彰式を行った。この賞は、北海道で省エネルギー・新エネルギーに関する有効利用、開発普及の取り組みで成果、功績のあった企業・団体等を表彰するもの。それによって省エネ推進、新エネ利用促進を図るのが目的。(写真は、牧野剛・北海道経産局長=左から表彰状を受け取る有賀充人・アリガプランニング代表取締役)
(写真は、優秀賞を受賞したエネコープ関係者と牧野剛・北海道経産局長=中央)

 大賞を受賞したのはアリガプランニング(札幌市中央区)で、受賞テーマは『道内初のランク「ZEB」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、106%)を実現したアリガプランニング新社屋』。この新社屋は、地中熱や井戸水の熱を利用した暖冷房システムの採用により建物のエネルギー消費で大半を占める空調エネルギー消費量を大幅に削減。さらに太陽光発電により最高ランクの「ZEB」を道内で初めて実現した。
 暖房エネルギーを多く消費する積雪寒冷地の北海道でエネルギー消費効率を追求した取り組みは、先進性、独創性が高いと評価され大賞を受賞した。

 優秀賞には、天谷一男氏とカイトー商会(釧路市)の『パッシブ換気システムと自然対流を利用した床下最少熱源による全室自然換気・暖房の快適住宅の普及』、アルス・ゼータ(帯広市)の『道東地域における省エネ・新エネ事業の提案型設計施工』、岩谷ガスエネルギー北海道支社(札幌市北区)の『LPガスの特徴を最大限に活用した省エネ、発電、地域貢献事業』、エネコープ(札幌市北区)の『低圧連系発電ユニットを備えた地域循環型バイオガスプラントの開発・運営』、コロナ札幌支店(白石区)と旭建材(同)の『一般戸建住宅向け、寒冷地における杭活用による地中熱ヒートポンプ暖冷房システムの開発・導入』、三建ビルディング(東京都中央区)と三建設備工業(同)の『低炭素社会の実現を目指した寒冷地ゼロ・エネルギービル~札幌三建ビル~』、武田鉄工所(帯広市)の『農業残渣など廃棄物の熱利用を可能とした小型バイオマス燃焼機の開発』、一般財団法人北海道電気保安協会(札幌市西区)の『IoT技術を活用した簡易EMS(電力見える化クラウドシステム)の構築』ーーの8件が受賞した。

 エネコープのバイオガスプラントは、2018年から家畜糞尿、食品廃棄物を利用して発電した電力を売電するとともに消化液も肥料として活用、地域循環型社会のモデルになる仕組みを構築。道内のバイオガスプラントは、系統連系ができないため導入計画が相次いで中止されているが、同社は電力系統への影響を与えずに連系可能な低圧連系発電ユニットを開発、運用していることが評価された。


4人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。