石屋製菓が台湾・一德生技有限公司の「一德白い恋人」に製造販売差し止めなど法的措置を検討

経済総合

 石屋製菓は主力商品「白い恋人」の類似商品が台湾で製造されていることを受け、台湾の菓子メーカーに製造差し止めなど法的措置の検討を始めた。個別包装や外箱の形状、デザインがほぼ同じで消費者は殆ど見分けがつかない。石屋製菓の「白い恋人」は台湾や韓国、中国など外国人観光客に人気の北海道銘菓だが、同社は道外では成田空港の免税店以外では販売していない。(左写真では石屋製菓の「白い恋人」が左、右が「一德白い恋人」。左写真では上が「一德白い恋人」、下が石屋製菓の「白い恋人」)
 
 石屋製菓の「白い恋人」と類似の商品を台湾国内で製造販売しているのは一德生技有限公司(高雄市)。商品名は「一德白い恋人」。石屋製菓の「白い恋人」は、ランクドシャークッキーでホワイトチョコレートを挟んでいるのに対して、「一德白い恋人」はホワイトチョコレートを使っていないという。
 
 菓子の外観はほぼ同じで個別包装の色やデザイン、また外箱の色、デザインもほぼ同じ。外箱のパッケージに描かれている山は石屋製菓が利尻山だが、一德生技有限公司が使っている山はどこの山か不明。
 
 石屋製菓によると、「一德生技有限公司が『白い恋人』を台湾で製造販売したいと打診してきたものの、当社は道外で製造・販売をしない方針を貫いているため申し出を断った経緯がある」と言う。
 
 一德生技有限公司が「一德白い恋人」を台湾国内で製造販売を始めたのは今年から。
 台湾は2002年にWTOに正式加盟し特許や商標に関する法改正を行っている。知的所有権保護についてはWTO加盟国に準拠したルールに則っていると見られているが、商標権については台湾国内で登録を受けて初めて商標権侵害や製造差し止めが可能になる。
 
 石屋製菓では、台湾の法制度を十分に検討した上で法的措置を取る方針。また、同社では日本国内でも「面白い恋人」など類似商品名を使っている業者に対して対抗策を講じ、知財戦略を徹底していく考え。

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