パチンコ業界の広告規制が強化されてから1ヵ月、新聞の折り込みチラシからパンチコ広告がほぼ半減した。テレビCMもイメージのみという内容になっており、パチンコ店の店頭でも 幟やポスター類が撤去されている。パチンコに熱中するあまり、車内で乳幼児を死亡させる事故が相次いだため警察庁が広告規制を強化したもので、パチンコ業界のみならず広告代理店業界にも大きな打撃になっている。(写真はパチンコ店の新台入れ替えを告知するチラシ)
 
 パチンコ業界の広告規制が強化されたのは、8月1日から。例外なく全国で適用された。射幸心を煽る広告を認めないもので、警察庁が今年6月にパチンコの広告宣伝の規制に対しての運用方針見直しを示し、8月から運用開始になったもの。
 
 パチンコの広告チラシで中心だったのがイベントの告知。このイベント告知によってパチンコ店を選んでいたファンも多く、パチンコ店にとっても集客減に繋がるのは必至。
 
 警察庁の規制対象外の広告宣伝は、新台入れ替えや有名人の招致など射幸心を煽らないイベント告知や店の所在地、遊技料金、設置遊技機の種類や台数、商品の取り揃え充実などで、要は射幸心と直接関係のない情報のみとなっている。

 つまり他の告知に関しては何らかの規制対象に含まれるわけで、「新聞チラシ広告は激減状態」(札幌市内の広告代理店)というわけ。

 この広告規制は自主規制ではなく警察庁通達に基づいているため、時限的な規制なのか、恒久的な規制なのかがハッキリしないが、当面は規制強化の運用が続くものと見られている。

 札幌市内の広告代理店社長によると、「私が聞いているのは、パチンコ店のチラシ回数も1ヵ月に6回に限られ、そのうち新台入れ替えは4回までしか認められていないそうだ。もちろん射幸心を刺激するイベントチラシ等はゼロ。広告代理店業界ではパチンコ業界の広告収入の比率が高く、経営が苦しくなるところも出てくるのではないか」と言う。

 広告規制によって利用者によるパチンコ店の選別が進み、パチンコ業界の勝ち組と負け組が色分けされてくるとともに、広告代理店業界の再編も促しそうだ。


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