道内の経営者らで組織する異業種交流会「一への会」(会長・渡邊克仁北斗交通社長)は15日、『グローバル経済を勝ち抜く北海道企業の戦略とは』をテーマに、2018年北海道ニューフロンティア経営セミナーを開催した。札幌市中央区の京王プラザホテル札幌2階エミネンスホールには1000人を超える参加者が集まり、関心の高さを窺わせた。(写真は、挨拶する一への会会長の渡邊克仁氏)
(写真は、講演するヒロ中田氏)
1講目は、リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンターのエグゼクティブプロデューサー、ヒロ中田氏が、『空飛ぶご当地グルメプロデューサーが今日も空を飛ぶ~食が地域を熱くする~』をテーマに講演。中田氏は、これまでに全国各地域で74グルメを提案、累計で450万食、220億5千万円の経済効果を生んだことをPR、「北海道は食の満足度ナンバーワンを目指せ」とハッパをかけた。そのために必要なこととして、「言語力、コンセプト力、企画力、商品力の4つを高めていくこと。例えば、言語力では包丁を持つ前にペンを持つことが必要で、提供価値を18字×2行でまとめることがベスト。料理は言語でできている」と訴えた。
さらに、「すべての基本はCPP。優れたコンセプト(C)を作って魅力あるプロダクト(P、商品)を作り、プロモーション(P)を行う。CPPの掛け算を繰り返し行って行けば確実に商品はヒットする」と話した。
(写真は、講演する竹中平蔵氏)
2講目に登壇したのは、慶應義塾大学名誉教授、東洋大学教授の竹中平蔵氏で、テーマは『第4次産業革命と日本経済』。竹中氏は冒頭、森友学園の財務省による文書書き換え問題に触れ、「通常なら麻生財務大臣は辞めるだろう。私は麻生さんと経済政策の考え方は違うが、かつて近くで見ていた限りでは政治家としての身の処し方は立派だと思う。麻生さんが辞めるといろんなことが政界で起きてくるだろう」と波乱の始まりを示唆していた。
続いて、第4次産業革命について、「革命と言うほどのものなのかと見ている人は多いが、18世紀後半の産業革命が私たちの暮らしを変えたように、今回も生活を変えるという意味では革命と言ってよい。人工知能、ロボット、IoT、ビッグデータ、シェアリングエコノミーの5つの組み合わせで産業が変わり、私たちの生きざまも変わる」と強調した。
イギリスでは、官民一体でビッグデータの司令塔組織を設置したが、日本でも議員立法によってビッグデータ司令塔が設立されることになったと述べ、「一番最初に自動運転のために道路のビッグデータを集めること、さらに自動走行の実験場を作るべきだ」と語った。公道でこうした自動走行実験ができない現状については、「イギリスはフィンテックに対応するため金融庁がレギュラトリー・サンドボックス(規制の砂場)を作った。シンガポールも作った。日本は今通常国会でサンドボックスを作ることになっている」と話していた。