「しかし、日本ではなかなか簡単にはいかない。管制業務や滑走路の整備は民間ではできないからどうしても公務員の方々に手伝ってもらわないといけない。特定の民間企業のために公務員が働いてはいけないことになっていて、そうしたボトルネック解消のためには国家公務員法の改正をしなければならなかった。地道な改革の積み重ねの結果が現在の空港民間委託に繋がっている」
「新千歳空港を核とする7空港の一体運営は、世界が注目する規模のコンセッション。今までにない取り組みで、7空港のシナジーをいかに発揮して北海道の地域創生に繋げていくのか、相当アイデアを出していかなければならない」
「新千歳空港は離発着枠が満杯だが、北海道を訪れたい人はどんどん増えてくる。例えば函館空港に降りてもらって周遊してもらい旭川空港から帰ることでも良い。また、飛行機のサイズが大きくなれば、貨物の輸送キャパシティも増える。北海道の新鮮なプロダクトをその日のうちに台湾や香港に届けることも可能になる。それがシナジーであり、民間が新しいアイデアを出す重要なポイントになるのではないか」
「私はプロ野球・日本ハムの大ファン。新しい球場を作る話が出ているが、日本のボールパークは殆どが公的な球場。公的球場の運営権を民間に売却するということもあり得る。スポーツコンテンツのある国では球場は民間が運営している。しかし、スポーツコンテンツのない国は公的部門が持っている。日本はスポーツコンテンツがある国だ。まだまだコンセッションの余地があるのではないか」
「今は、コンセッションの成功事例を作っていく第一段階。そのファイナルステージに北海道7空港のコンセッションがあると認識している。日本にはキャッシュフローを生む公的インフラが簿価ベースで70兆円ほどあると考えられている。その半分くらいがコンセッションになっても、すごい規模の資産市場が形成される。地域の活性化、財政健全化にも資するという国を挙げての政策になりうる。こうしたマクロ政策の段階に持っていくためにも第一段階のファイナルステージにある道内7空港一体運営のコンセッションを是非とも関係者の皆様によって成功させていただきたい」(構成・本サイト)