札幌のIoT(モノのインターネット)企業であるエコモット(本社・札幌市中央区)は、6月21日に札幌証券取引所アンビシャス市場に上場する。同社は2007年2月に入澤拓也氏が27歳の時に創業、10年で株式公開を実現させた。(写真は、入澤拓也氏)
入澤氏は、札幌平岸高校卒業後に映画監督を夢見て渡米。そこでパソコンに夢中になる米国の若者を見て、自身もパソコンの魅力に取りつかれ帰国。02年4月にクリプトン・フューチャー・メディア(本社・札幌市中央区)に入社して音楽コンテンツの制作に取り組んだ。
しかし、アミューズ系より実業に近い現場でIT技術を活かしたいと、07年2月にエコモットを設立した。
同社の事業は現在、融雪システム遠隔監視ソリューション「ゆりもっと」、建設情報化施工支援ソリューション「現場ロイド」、交通事故削減ソリューション「Pdrive」、自然災害の予兆を見える化する「災害検知ソリューション」などで、16年3月期の売上高は7億3800万円、経常利益は1100万円、純利益は600万円、17年3月期は売上高が約13億円、純利益は約6600万円に拡大している。
上場に伴い新株を発行するほか北海道しんきん地域活性化ファンドなどが保有株を売り出す。札証アンビシャス上場は、今年に入って2月のフュージョン(本社・札幌市中央区)に続く2社目。監査人は新日本有限責任監査法人、幹事証券は岡三証券。
入澤社長は、「上場によって優秀な人材を確保し信用力を高め、IoTの競争に対応したい。そのうえで北海道を代表するIT企業を目指す。北海道の売り上げは25%だが地元のアンビシャス市場に上場して地域に貢献し、いずれは東証を目指したい」と話している。
また、ベンチャービジネス(VB)に向けて「私はノートパソコン1台、10万円の資金で創業した。それから10年で上場まで辿り着けた。起業家はどんどん(株式公開に)挑戦してほしい」とも語った。