【北方ジャーナル連携記事】千歳市中心部にある「千歳タウンプラザ」(幸町4丁目)に道内最大級のコト消費空間3施設が23日にオープンする。市民が書籍を持ち寄って開放された図書館にする「まちライブラリー」、遊びを通じて子どもの体力づくりができる「あそびのくに ピッピちとせ」、人工芝を敷き詰めた屋内パークゴルフ場「千歳インドアパークゴルフクラブ」の3つでこれまでの物販を中心とした施設から大きく転換、中心市街地の交流拠点として新たな発信を始める。(写真は、国内最大級のまちライブラリーになる千歳タウンプラザ)
「千歳タウンプラザ」は、1982年にオープンしたちとせデパートの施設を利用したもの。ちとせデパートは99年に破綻して施設は閉鎖された。その後、北海道空港(本社・千歳市)が2002年に建物を取得、関連会社のセントラルリーシングシステム(同・札幌市中央区)が05年に物販中心の「千歳タウンプラザ」として再オープンさせたが、建物の老朽化や営業不振で一部テナントを除いて15年に閉鎖、活用策を検討していた。
セントラル社は、物販による収益施設の維持は難しいと判断し、中心市街地のコミュニティ機能を担う交流拠点とする方向に切り替え、今回コト消費型空間として新たなスタートを切ることになった。
1階の「まちライブラリー@千歳タウンプラザ」は、一般社団法人まちライブラリーが全国400ヵ所で展開している市民参加の交流型図書館。市民が書籍を寄贈して作っていくコミュニティ空間で、お気に入りの本にメッセージを付けたり、読んだ後の感想を書き込めるため本を通じて地域のコミュニケーションが繋がっていくのが特徴。会話や食事もできる自由な空間にもなっている。
道内には札幌市内の民間治療院の待合室と池田町の空き家を利用したまちライブラリーがあるが、これほど大規模(約800㎡)なライブラリーは初めてで国内でも最大級。当初は6000冊でスタートするが、高さ2mを超える本棚には最大で4万冊近い収蔵ができるようになっている。
「まちライブラリーカフェ」も併設されている。石窯でその場で焼き上げるピッツァを提供する「ピッツァナポレターノカフェ」を展開するグリーンズプラネット(本社・東京都中央区)が運営、ソフトクリームの量り売りなども行う。
2階の「あそびのくに ピッピちとせ」は、国内3万5000ヵ所で子どもの遊び環境を整えてきたボーネルンド(本社・東京都渋谷区)がプロデュースした。アミューズメント施設の域を超えた体力づくりを最優先に考えた道具や環境が整備されており、親子で楽しむことができる。9万個のボールで埋め尽くされたボールプールは支笏湖をイメージしており、体のツボを刺激したり癒しの効果があるという。
(写真は、2階の「あそびのくに ピッピちとせ」のボールプール)
運営はセントラル社が担当し、専門のスタッフが子どもたちに遊び方などを教える。ボーネルンドの石川はやし取締役北海道地区担当部長は、「面積は約1800㎡で国内でも最大級の室内遊び場です。最新の遊び道具や環境づくりを集大成しており、道内の自治体の視察も増えるでしょう」と話す。入場料は2時間350円(税込)で2時間ごとに30分の清掃時間を取っている。
地下1階は面積2300㎡の18ホールの「千歳インドアパークゴルフクラブ」。米国から人工芝を輸入してフェアーウェーとラフ、グリーンを使い分けている。室内ながら起伏も付けて屋外並みのプレーが楽しめる。歌志内市で室内パークゴルフ場を運営している藤樹園がプロデュース、1日プレー券は800円(税込)。
3施設はいずれも本格的なもので、千歳市だけでなく近隣市町村から多くの利用客を呼び込みそうだ。空洞化した道内各地の中心市街地に残る施設の新たな活性化策としても注目を集めそうだ。
(写真は地下1階のパークゴルフ場の43mの5番ロングホール)