11月1日にスタートする札幌商工会議所の岩田圭剛新会頭(63)体制で副会頭候補の1人に北洋銀行の柴田龍副頭取(59)が浮上している。現高向巌会頭(77)が北洋銀出身で、退任後に北洋銀と札商の間に距離感が出るのを懸念する声が札商、北洋銀の双方にあるためだ。北洋銀にとって対北海道銀行のスタンスから影響力のあるポストを維持したい考えもある。P1090124(写真は、札商の入る北海道経済センター)

 高向会頭が3期12年プラスアルファで退任することに伴い、次期会頭には副会頭で岩田地崎建設社長の岩田氏が内定している。副会頭は現在6人いるが、昇格する岩田氏と75歳を過ぎて選任されないという慣例によって退任確実な布施光章氏(77)の2人の枠が生まれる。
 
 副会頭は、会頭が選ぶことに決まっており、直前まで明らかにならないケースが多く、3年前は誰もが予想していなかった大槻博・北ガス社長が就任してサプライズが広がった。
 
 11月1日の岩田体制船出まで1ヵ月あまり、巷間(こうかん)、副会頭候補として囁かれているのは加藤欣也・昭和交通社長と紫藤正行・ダイコクグループ代表。共に商議所内の政策委員長、総務委員長を務め、とりわけ加藤氏は秋元克広・札幌市長誕生の流れを作り、市と札商の二人三脚体制を強固にした人物として知られる。

「2人のうち1人、または2人ともに」という観測が広がる中で、急浮上してきたのが北洋銀・柴田副頭取。高向会頭は北洋銀の頭取、会長を歴任、札商会頭として北海道経済の顔でもあった。北洋銀としても、また札商にしても、高向会頭退任後に距離感が出ることは避けたい。また、札商のさっぽろ成長戦略特別員会の委員長を務めて成長戦略をまとめた堰八義博・道銀会長など北洋銀にとっては道銀勢力への牽制という意味でも一定のポストは維持したい考えがあるようだ。

 北洋銀は札商の3号議員で職務執行者は既に高向氏から柴田氏に代わっている。ただ、柴田副頭取が副会頭に就任すると北洋銀の次期頭取レースにも影響することになりそう。


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