SATO社会保険労務士法人は、東日本大震災の影響で売り上げが著しく減少している企業が従業員を一時的に休業させる場合に、国から支払われる雇用調整助成金の説明会を15日に開く。道内では、観光や食関連企業で売り上げが大きく減少しており、一時休業に踏み切る企業も出てくると見られる。解雇や雇い止めを防ぎ、雇用をサポートするこの制度のニーズは高いと見られている。(写真は、リーマン・ショック時に開催された説明会)
東日本大震災から1ヵ月、経済活動にも様々な影響が出てきた。道内では観光や食関連などで自粛や風評による影響で売り上げ減少が甚大。雇用面にも波及してくるのは必至。
雇用調整助成金制度は、リーマンショック時に自動車関連や大手製造業が利用した制度で、従業員の雇用を維持しながら一時休業させる際に休業手当の一部を国がその企業に助成するもの。中小企業向けは中小企業緊急雇用安定助成金と呼ばれ、最大で1日7505円、原則8割まで助成する。
今回、東日本大震災によって広範囲な企業活動が停滞、経済的損失が顕著になるため所管する厚生労働省は相次いで特例措置を発動、企業がより使いやすいようにした。
対象となるのは、直近3ヵ月間の生産量や売上高がその直前3ヵ月か前年同期に比べて5%以上減少する見込みの企業。雇用保険適用事業所であれば業種や雇用人員を問わない。
道内では観光地から外国人観光客がほぼゼロになったほか、道外・道内の観光客も激減しており、北海道観光振興機構によると震災から6月までの3ヵ月半で被害額は800億円に及ぶという試算を明らかにしている。
観光は、ホテル・旅館など宿泊施設や土産物品、飲食店、バス・タクシーなど交通運輸、さらに食品製造業など裾野が広いだけにその影響も広範囲に及ぶ。既に一部のホテルでは従業員を自宅待機させるなどの措置を取っている。
雇用調整助成金は、こうした企業が正社員や契約社員、パート従業員などを解雇や雇い止めせずに雇用をキープするセーフティネットの役割を持つ。申請した企業には2~3ヵ月後から助成金が支給される。
SATO社労士法人では、「こうした助成金制度を知らない事業主は多い。影響を受けている事業主の方は、この制度を利用して雇用を維持して欲しい」(折戸みのり主任)としている。
説明会は4月15日午後2時から1時間、キャリアバンクセミナールームで行われる。無料。詳細はSATO社労士法人(011―351―9914)