北海道ベンチャーキャピタルは、グループ会社のHVCグローバルインベストメントを吸収合併する。グローバル社は資本金5000万円で北海道ベンチャーキャピタルの全額出資子会社。投資事業組合の企画・運営やアドバイザリー事業を行っていた(写真は北海道ベンチャーキャピタルの松田一敬社長)


ベンチャービジネスに投資するベンチャーキャピタル事業は曲がり角にきており、合併により事業を再構築する。
HVCグローバルインベストメントは、2006年6月に北海道ベンチャーキャピタル100%出資により資本金5000万円で設立された。社長は、北海道ベンチャーキャピタルの松田一敬社長が兼任している。
事業内容は、投資事業組合の企画・運営、アドバイザリーとなっており、06年6月に1号投資事業有限責任組合を組成し07年7月にはアドバイザリー事業を始めている。
HVCグローバル社の10年3月期決算では、当期純損失2177万円を計上しており実質債務超過状態。
一方、吸収する北海道ベンチャーキャピタルも前3月期に5200万円超の当期純損失を計上しており、事業環境は厳しい。
北海道ベンチャーキャピタルは、5年後や10年後に成長する企業に投資するビジネスモデルで投資規模は約40億円とされている。投資先はいずれも北海道内に本社や研究拠点、主力工場のある企業。
松田社長は、かつてこう語っていた。
「北海道にはビジネスのネタがたくさんある。我々はそれを信じて10年間やってきた。うちの会社がまだあるということは北海道も大丈夫ということ。北海道を引っ張っていけるだけの力をつけられるかどうかはわからないが、そういうレベルになれるかどうかが試されている」
北海道ベンチャーキャピタルグループの再編で厳しい事業環境をどう切り抜けるのか、あらためて松田社長の手腕が問われている。

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