「プリプレス・センター」、「レーザーシステム」が事業発表 インデペンデンツクラプが札証で開催

経済総合

 全国でベンチャー企業の支援育成を行っているNPO法人インデペンデンツクラブ(東京都豊島区、会長・松田修一早稲田大学名誉教授)と札幌証券取引所アンビシャスクラブ(会長・佐藤良雄キャリアバンク社長)は共催で20日、道内でIPO(新規株式公開)を目指す企業の事業計画発表会を行った。会場の札証2階会議室には約80人が集まり、各社の成長戦略に聞き入った。IMG_3880(写真は、基調講演するエコミックの熊谷浩二社長)

 基調講演は、札証アンビシャス市場に上場して10年のエコミック熊谷浩二社長が『アンビシャス市場を利用して全国へ』をテーマに話した。給与計算アウトソーシングサービスで事業展開している同社は、同業各社が積極的ではない勤怠情報収集など給与計算の前工程もカバーすることで差別化していることを説明、「企業の宿命は利益を出すこと。給与計算を自社で行っても売上げにならずコストそのもの。如何に安くするかが課題で、アウトソーシング需要は今後も増えていく」と市場が拡大する見通しを示した。
 また、「メンタルヘルスチェックやマイナンバー収集など、企業の管理部系の仕事は増える傾向にある。当社はあらゆる企業のシェアードサービスを展開していく」と強調。アンビシャス市場については、「使い勝手の良い市場。IPO選択のひとつとして活用できる」と話した。
 
 事業計画発表会では、印刷業をメーン事業にしているプリプレス・センター(本社・札幌市中央区)の藤田靖代表取締役が事業概要を説明。印刷市場がネット普及などで年率5%程度の縮小を続けている厳しい環境の中で、同社は全国の中小印刷会社をM&A(買収合併)、フィリピンのセブ島に現地工場を開設するなど「印刷業界の課題解決を進めて不況業種から脱出する戦略で高成長を続けている」と述べた。
 印刷会社の新しいビジネスモデルにチャレンジしていくことで現在の年商16億円から2022年には200億円を目指すとし、「3拠点(札幌、東京、大阪)からM&Aを重ねて6年後20拠点にする」と展望した。
IMG_3886(写真は、プリプレス・センターの藤田靖代表取締役)
 
 続いて、北大発VB(ベンチャービジネス)のレーザーシステム(本社・札幌市西区)の土内彰社長が登壇。自社開発のレーザー加工機について、「近視手術のレーシックよりもひと桁違う精度で微細加工できるのが特徴で、光成形技術により三角の溝を微細に掘ることもできる」とした。
 また、セラミックの穴あけについてリアルタイムで熱の歪(ひずみ)を認識してレーザー照射のズレを制御する技術も開発、「新型車のパワー半導体基盤として使われる炭化ケイ素ウエハー切断にも使われる予定」と語った。ベンチマーク(目標)としている企業として精密加工装置のディスコ(本社・東京都大田区)を掲げ、「シリコンバレーに倣っていずれ札幌にレーザーバレーをつくりたい」と話した。
 インデペンデンツクラブと札証アンビシャスクラブは、10月にも共催で事業計画発表会開催を予定している。
IMG_3894(写真は。レーザーシステムの土内彰社長)

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