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 生キャラメルで快進撃を続けた花畑牧場(北海道河西郡中札内村、田中義剛社長、資本金2000万円)が、高収益を背景に道内土産物市場で10%シェアを目指す取り組みを始める。生キャラメルで利益が大幅に積みあがり、積極攻勢に向けて資金的余裕が生まれているためだ。(写真は花畑牧場の直営店舗)


 出店と閉鎖を短期間で繰り返してきた同社だが、財務内容の磐石さがスピーディーな展開を担保している。
 今年2月に官報に掲載された花畑牧場の第9期決算公告によると、同社の財務内容は極めて良好なことが分かる。
 2010年3月期の数字が示されているが、利益準備金は36億2300万円にも積みあがっている。総資産87億6800万円のうち、株主資産は40%を超えている。この期は、生キャラメルブームで、同社は東京や札幌に相次いで直営店を出店し、買い物客が行列を作るシーンがメディアで度々紹介されるなど、社会現象にもなった。
 生キャラメルは、ピーク時には同社の売り上げの8割を占めたといわれており、この期の当期純利益だけでも26億2300万円を計上、利幅が極めて高かったことが窺える。
 そのほかの花畑グループの決算はどうか。
 同じ中札内村にある「花畑牧場アグリ」は、株主資本が7億円のマイナスで貸借対照表から見ると債務超過。当期純損失として7億円を計上した。
 札幌市中央区大通西5丁目にある「花畑牧場エンター」は、やはり7億6700万円の債務超過だ。当期純損失も7億7000万円となっている。
 一方、加森観光から引き継いだ夕張市の施設を利用した「花畑牧場夕張」は、どうか。こちらは2期目の決算だが、利益剰余金は3億7600万円のプラスになっている。当期純利益も3億7600万円で2期目の業績が良好だったことが分かる。
 花畑牧場グループの業績は、良い企業と悪い企業が二極化している。今後、花畑牧場本体は、直営店方式から卸方式に販売形態を変えていき、合わせて新商品開発を加速、道内土産物市場で一定の影響力を確保できる地位を目指す考えだ。


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