『もしドラ』の作家、岩崎夏海さんが語った自身の強み

経済総合


『もしドラ』こと『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の著者、岩崎夏海さんの講演会が、11月2日、札幌市のコンベンションセンターで開かれた。「ビジネス創造フェア2010in札幌」と題したイベントの一環として行われたもので、会場となった大ホールの一角に設けられたスペースには約200人が集まり、岩崎さんの話に耳を傾けた。


岩崎さんは、1968年生まれで、大学卒業後に作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』や『ダウンタウンのごっつええ感じ』などテレビ番組の制作に参加、アイドルグループのAKB48のプロデュースにも携わった。
作家として初めての著作が『もしドラ』で、社会学者のドラッカーが世界恐慌後の1930年代のアメリカの経営者の取り組みからヒントを得た書いた経営者のバイブルとも言われる『マネジメント』を女子高生を主人公に現代風にアレンジしたものだ。
現在の発行部数は150万部で『もしドラ』に引きずられるようにドラッカーの『マネジメント』も55万部増刷され、岩崎効果で空前のドラッカーブームが起こっている。
ドラッカーは、『マネジメント』の著書の中で、個人の強みを組織に生かすことがマネジメントの要とし、権限を与えることでやる気を引き出させれば組織は苦難に対応できると述べている。
岩崎さんは、「ドラッカーが書いた1930年代のアメリカで起きたことと同じ様なことがリーマンショック後の日本で起きている。大量の失業者を生み出し、大企業の経営者がプライドを失っている。今問われているのは、経済的に復興しない社会の中でどう生きていくかということ。解決の道筋は、個人個人が先頭に立って経営者や政治に頼らずに自分たちの手でやるということ。ドラッカーの『マネジメント』には解決の道筋が示されている」と語っていた。
ドラッカーは大切なこととして「自らの強みを生かす」ことを強調している。
岩崎さんは、「北海道の強みは何かと言っても、自分の長所というものはなかなか分かりづらいもの。ドラッカーが言っているのは『自分は何によって覚えられたいかを自らに問え』ということ。何によって覚えられたいかが強みに直結しているというわけで、北海道は何によって覚えられたいかで強みが見えてくるのではないか」と語りかけていた。
ところで、岩崎さんは何によって覚えられたいか――。岩崎さんはこの本を出すに当たって最初から200万部は達成できると読んでいたという。「私は作家としてというよりも最初から200万部は売れると予想したマーケティング力で覚えられたいですね」
さて、あなたは何によって覚えられたいですか。
(写真は、講演会後に著作のサイン会に臨む岩崎夏海さん)

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