札幌市中央区の南円山にあった古民家レストラン「櫻月・サクラムーン」が閉店して2年、更地になった跡地でまもなく11階建てマンションの建設工事が始まる。マンションデベロッパー大手の東急不動産(東京都渋谷区)が「ブランズ円山」(仮称)として建設、分譲するもので円山の麓にある街の顔が変わる。(写真は、円山を望むマンション建設地)
札幌市の南円山地区にあった「サクラムーン」(中央区南6条西26丁目)は、1954年に建てられた古民家を利用したレストランだった。この民家は、北大初の女性教授だった数学者の故桂田芳枝氏が自ら設計した家。桂田女史は、当初は平屋だった家を2階に増築、建て増すときに庭にある桜の木などを1本も切らなかったという。
桂田氏が死去した80年から空き家になっていたが88年に売却され「サクラムーン」として利用が始まっていた。2012年にこのレストランも閉鎖され、土地は東急不動産に売却、今年4月から建物が解体され桜の木もなくなって更地になっていた。
東急不動産が間もなく建設を始める「ブランズ円山」は、敷地面積1442㎡で建築面積は532㎡。地上11階で一部が5階建てになる。延床面積は4884㎡。販売戸数は46戸。建物の高さは約33m。
旧桂田邸が建設されてから60年、円山の麓にあった街の顔はマンションに生まれ変わる。