北海道弟子屈町の川湯温泉にある「名湯の森ホテルきたふくろう」を運営していた自然塾(川上郡弟子屈町川湯温泉1ー9ー15)が、負債3億9000万円を抱えて釧路地裁に自己破産申請する予定だ。新型コロナウイルスの感染拡大による予約キャンセルが続き、運営継続を断念した。(写真は、「名湯の森ホテルきたふくろう」=同ホテルホームページより抜粋)

 帝国データバンクによると、同社は1985年3月の設立。屈斜路湖近くに美術館とログハウスを保有し、体験型観光を手掛けていた。2003年4月に川湯温泉のホテルを取得、「名湯の森きたふくろう」として展開してきた。源泉100%かけ流しでラウンジや露天風呂からは源泉輪が望めるなど、最盛期の06年12月期には年間5億1300万円を計上。

 その後は個人消費の低迷で低価格プランが定着、ホテル買収時の借り入れ負担も響いて赤字が続いていた。12年からは金融円滑化法により返済猶予を受けていたが、創業社長の高齢化と体調悪化で事業承継を進め、18年10月から新代表取締役の元で経営を継続していた。

 しかし、今年に入り新型コロナウイルスの影響で予約キャンセルが続いたため、3月9日から5月末までの休業に入っていたが、再開を断念。事後処理を三春裕嗣弁護士(札幌市中央区)に一任した。従業員3月9日付で解雇されている。


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