激変するニセコの象徴のような風景が広がっている。ニセコアンヌプリの東側の麓にあたるニセコHANAZONOリゾート。ゲレンデに沿うように並び立つ巨大な建物群は、スキー場の風景に溶け込むように竣工に向けリズムを刻んでいる。(写真は、スキー場に面して建つ「パーク・ハイアットホテル」と「パーク・ハイアットレジデンス」)
これら建物群は、「パーク・ハイアットホテル」と「パーク・ハイアットレジデンス」だ。北海道初の世界の5ツ星ホテルが札幌ではなくニセコに誕生し、国内で初めてのパーク・ハイアットレジデンスがまずニセコで産声を上げる。まさに激変するニセコを体現できるゾーンだ。
1年前、ここを訪れた時は基礎工事の段階でクレーンが4基も5基も天を衝くように聳え、これから始まる工事に現場の緊張感が伝わってくるようだった。それから四季が巡り、景色は一変した。残雪のスキーを楽しむ人々の脇にそそり立つ巨大な建物群は、圧倒的な存在感を放ちながらも周囲の自然に溶け込むような柔らかな表情を見せていた。
施設の建設を進めているのは、香港の不動産会社パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメンツ(PCPD)。同社は、花園スキー場とゴルフ場を運営していたオーストラリア資本の日本ハーモニーリゾートを2007年に買収、「ニセコHANAZONOリゾート」として運営を引き継いでいる。
東急系によって開発されてきた花園地区は時代と共に外資が主役になり、国際リゾートへの道をまっしぐらに進んでいる。今年の秋口にはG20の観光相会合も真新しいホテルで開かれる予定だ。変化のスピードがどこよりも早いニセコ、その風圧を体感する光景が広がっている。