ニセコアンヌプリの東側の麓にあたる虻田郡倶知安町岩尾別――いわゆるニセコ花園地区で、「パーク・ハイアットホテル」と「パーク・ハイアットレジデンス」の建設工事が進んでいる。大型クレーンが4台も5台も林立、まるで都市部の再開発を思わせるような様相だ。世界の5ツ星ホテルと日本で初めてのパーク・ハイアットレジデンスの完成は、花園地区を大きく変えていくことになりそうだ。(写真は、パーク・ハイアットホテルとパーク・ハイアットレジデンスの建設現場)
「パーク・ハイアットホテル」と「パーク・ハイアットレジデンス」の建設を進めているのは、香港の不動産会社パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメンツ(PCPD)。同社は、花園スキー場とゴルフ場を運営していたオーストラリア資本の日本ハーモニーリゾートを2007年に買収、「ニセコHANAZONOリゾート」として運営を引き継いでいる。
PCPDは、15年にハイアット・ホテルズ&リゾーツとホテル、レジデンスの運営受託契約を締結、昨年からニセコHANAZONOリゾート内で土地造成や基礎工事を進めてきた。建設プロジェクトの名称は、「ハーモニーTMKニセコ花園」。ホテルは地下2階、地上5階建て、延床面積約7121坪(約2万3500㎡)、客室は100室。レストラン&バー、ミーティングスペース、フィットネスセンター、屋内スイミングプールなども併設する。
レジデンスは、ハイアット・ホテルズ&リゾートが日本で初めて取り組むもので、地下1階、地上9階建て、延床面積約8303坪(約2万7400㎡)で分譲戸数は100室。販売は三井不動産リアルティなどが手掛けている。購入者はパーク・ハイアットに委託することによって所有物件を宿泊施設として貸し出すことができ、いわゆるコンドミニアムとしての利用ができる。
ホテルとレジデンスの建築主は、ハーモニー特定目的会社で設計はフジタ一級建築士事務所(東京都渋谷区)、監理は同事務所と日建設計(東京都千代田区)、北海道日建設計(札幌市中央区)、施工はフジタ(本社・東京都渋谷区)。完成は19年11月末。
ニセコアンヌプリを望む建設地周辺は、現場作業員向けのユニットハウスが立ち並び、ダムやトンネルを建設するかのような躍動感が漂う。変わるニセコ花園地区の象徴と言えそうな空間が広がっている。