赤れんが庁舎で初のプロジェクションマッピング、加森観光「北の大地」を表現

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 国の重要文化財、旧北海道本庁舎の赤れんが庁舎を利用した初のプロジェクションマッピングが19日夜から始まった。北海道命名150年事業の一環で、加森観光(本社・札幌市中央区)が北海道の自然やアイヌ民族の文化に育まれてきた北の大地の成り立ちを音と映像にまとめた。20180119_174053
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20180119_174320(写真は、赤れんが庁舎へのプロジェクションマッピング)
IMG_0573(写真は、挨拶する加森観光・加森公人社長)

 このプロジェクションマッピングは、「KAMORI Wonder Lights 大地」と名付けられた催し。19日午後5時半から赤れんが庁舎前で行われたオープニングセレモニーには約300人が詰め掛けた。加森観光の加森公人社長が、「蝦夷地と呼ばれていた時代から北海道と名前を変えて150年、北海道の大地がどういう系譜をたどって出来上がってきたかを表現したいと思い、知事に赤れんがを貸してもらった。自然と共存し、生きるものすべてに神が宿っているというアイヌ民族の信仰の中で北海道の大地が辿ってきたドラマを音と映像で感じることができると思う」と挨拶した。

 また、窪田毅副知事は、「プロジェクションマッピングで北海道の歴史とアイヌ民族の文化を理解いただければと思う。150年事業のキックオフになることを祈念したい」と挨拶した。
 
 オープニングセレモニーでは通常12分の本編を5分間に短縮して投影された。シマフクロウの導きによって映像が始まり、シャチがサケを追い、サケは川を遡上して肥沃な土地を作り、そこに植物が育ち、森を駆けるエゾシカやクマ――それらがアイヌの歌とムックリ演奏などによって情感豊かに展開されていく。

 映像制作にあたって、アイヌの文化考証、音楽考証も徹底して実施、アミューズメント映像ではない文化映像として深みを持たせた。加森社長は「赤れんが庁舎の赤色は光を吸収する性質があるので、光源を強力にするなど制作には苦労した」と話している。オープニングセレモニー終了後には、北海道150年事業のパートナーである国分北海道(本社・札幌市中央区)が、北海道造り酒屋の甘酒餅「国稀」を先着150人に配った。

 プロジェクションマッピングは、19日から2月25日まで毎日午後6時半から同8時半まで、12分間の映像を10回投影する。観覧無料。

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