2020年にも札幌・大通公園に高級外資系ホテル「マリオットホテル」が登場しそうだ。不動産開発やホテル事業を展開している森トラスト(本社・東京都港区)が大通西5丁目の大通公園沿いにある旧農林中央金庫札幌支店を取得、建物を取り壊してホテルの開発計画を明らかにしたからだ。都心を東西に貫く大通公園沿いに高級ホテルが実現すれば大倉山ジャンプ台を間近に望める絶好のビューポイントになりそうだ。(写真は、農林中金札幌支店の建物)
農林中金札幌支店は、1950年代から本拠を構えていた大通西5の日銀札幌支店東側から、今年5月に北洋銀行本店や本部が入っている北洋大通センターに移転、2フロアを賃貸ではなく取得した。
大通公園に面する約2800㎡の一等地であることから跡地の行方が関心を呼んでいたが、このほど森トラストが土地建物を取得する方向になり、建物は解体されて外資系高級ホテルを軸に開発が進められることになったという。
新聞報道によると取得額は約90億円とされ、坪単価は約100万円。建物解体費も含んでいるため、純粋土地代としては80万円強とみられる。
この土地に隣接する東側は遊休地となっているほか、北側は藤井ビル(本社・札幌市中央区)の旧北一条ビルの跡地で現在は時間貸し駐車場。この駐車場は同じ一角にある北海道労働金庫本店の所有で、道労金との一体開発になればさらに面積は広く取れる可能性がある。
森トラストが首都圏やリゾートで展開しているのは「ラフォーレ」ホテルだが、2013年に東京のラフォーレを「マリオットホテル」に転換してリブランディングして以降、森トラストは、世界最高級ホテル、リッツ・カールトンを運営するマリオット・インターナショナルとフランチャイズ契約を正式に締結。軽井沢などリゾートにある5つの「ラフォーレ」を「マリオット」に順次リブンディングしていく方針を明らかにしている。
札幌・大通公園でのホテルも「マリオット」ブランドの可能性は高く、市民・道民の期待は大きい。
森トラストが分離する以前の森ビルは、破綻した北海道拓殖銀行本店の取得に意欲を見せたことがあった。今回、森トラストが取得する農林中金札幌支店と同様に歴史の重みを感じさせる建物だったが、森ビルの取得は叶わず、拓銀の事業を引き継いだ北洋銀行が入札で取得、建物は解体されて北洋大通センターになっている。分離したとはいえ、森グループにとっては悲願の札幌進出とも言えそうだ。