キャリアバンク(本社・札幌市中央区)やエコミック(同・同)、SATO社会労務士法人などSATOグループは29日、中国で日系企業の起業支援や人材育成を行ったり、現地のイオン全店で催事をプロデュースしている大星企業管理(上海)代表取締役の大西政介氏(41)を講師に招いたオープンセミナーを行った。テーマは『訪日外国人を地方都市に呼び込む方法』。大西氏は、「訪日外国人はこれからも増える。訪日外国人に関わるビジネスはますます増えて行くだろう」と語った。(写真は、講演する大西政介氏)
大西氏は1992年に100円ショップ「キャンドゥ」入社。2005年ころから中国上海で商品開発や中国出店を担当、08年に現地のコンサルティング会社に出向し日本企業の店舗出店をサポート、14年に大星企業管理を設立した。
中国では年収1000万円以上の人が3億人いて、一般的なサラリーマンは親と同居して夫婦共働きなので月給は計60万円、食費は5万円かからず毎月50万円は貯金できることを紹介、「これだけ貯金できるので中国人の訪日の勢いは今が序章で始まったばかり。これからもますます日本に押し寄せてくる。丁度、日本に携帯電話が出始めたころと同じで、これほど携帯が普及すると思った人は少なかったはず。訪日外国人も同じ感覚で自分には関係がないと思っている人も必ず関わってくることになるだろう」と見通した。
東京や大阪ではホテルが足りないことによりパニックに近い現象が起きていることについて「これが常態になる。パニックが起きている今がビジネスチャンスで訪日外国人が困っていることや外国人が来過ぎて困っている日本人に分かり易く手を差し伸べることがビジネスになる」と話した。
訪日外国人の集客で失敗する5つの原因として①ターゲットが絞れていない②日本語を翻訳しただけのwebサイト③情報の発信をしていない④中国のインターネット事情を把握していない⑤リピーター対策をしていない――を挙げた。
北海道の訪日外国人対応について「タイ人は個人客が多くなっており、タイ人の動向は一つのキーワードになるだろう。中国人は、今後5年間はゴールデンコースを団体で周遊する傾向が続く。なぜなら中国人は観光面であまり冒険をしない石橋を叩いて渡るタイプだから」と述べた。
大西氏は、現在日本各地にある「道の駅」に訪日外国人を呼び込むためのポータルサイトづくりも行っている。国内には外国人が訪れる道の駅が30ヵ所ほどあって、そうした人気の道の駅が行っている集客方法を分析して地方にある道の駅を活性化するヒントを探るという。