P1080277 公益社団法人北海道観光振興機構の6月以降の運営体制を検討する組織運営検討会議の第2回会合が19日午後4時から札幌グランドホテルで行われた。会議では、次期会長候補として名前が挙がっている近藤龍夫道経連会長(北電相談役)と山本邦彦道空港社長(元副知事)を理事として選任することを決め、27日の正副会長会議に諮り30日の理事会で正式決定することを決めた。6月16日の総会後の理事会で互選によって会長が決定するが役割分担で2人の会長が誕生しそうだ。
 
 
会議には19人の委員のうち13人が出席、約2時間討議した。日本旅館協会北海道支部連合会と日本ホテル協会北海道支部が前回(4月22日)の会議で会長候補として挙げた近藤、山本両氏が共に受諾の意向を示したことが報告され、27日の正副会長会議で理事に推薦することを決定した。正副会長会議の後に開かれる理事会で2人の理事を新任するとともに2人代表制の導入に向けて定款変更なども決める見通し。
 
 
両団体は2人の会長を希望しており、道内は近藤氏、道外や海外は元副知事として知名度のある山本氏と役割分担による2人代表制が6月総会後の理事会で決まりそうだ。
 
 
道観光振興機構は2008年に北海道観光連盟を改組して設立された。官主導から民間主導による運営が旗印だったが、初代会長を務めた坂本眞一JR北海道相談役は専務理事、事務局長をJRムラで固めたことから市町村の観光協会などからは批判が出ていた。坂本氏は今年1月に自死、2月には6月までの暫定会長として星野尚夫札幌観光協会会長(札幌振興公社社長、元北洋銀行常務)が就任している。
  
 
2人代表制は異例だが、シナリオは早くから道主導で進んだようだ。道空港社長を6月に退任する山本氏は「財界活動に専念したい」と道空港社長退任を申し出たとされており、道としても副知事OBの処遇ポストを何としても用意しなければならなかった。観光振興機構の補助金として道は約6億円を支出しており、山本氏の会長就任は大義名分が立つ。しかし、民間主導組織してスタートしただけに先祖がえりの目くらましとして経済界重鎮の近藤氏とのセット会長を企図したようだ。
近藤氏は、原発再稼働で風評被害に最も敏感な観光業界を束ねる同機構の会長に就くことで再稼働の地ならしも可能になる。もちろん、近藤氏が力を入れる食の振興にも観光業界とは密接に関わってくる。
関係各界のパワーバランスと思惑によって初の2人代表制が誕生することになりそうだ。

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