11月22日に負債13億円を抱えて札幌地裁に民事再生を申請した札幌南ゴルフクラブ駒丘コース(札幌市南区真駒内、18ホール)のスポンサーに、不動産所有・賃貸のキタコーグループ(本社・札幌市)である「ダイナスティリゾート」が正式に名乗りを上げた。同GCは、理事長の高橋松一郎氏の出身会社であるカネシメ高橋水産がスポンサーとして再生を担う方向で調整していたが、キタコーが名乗りを上げたことで配当率などに変化が出てきそうだ。
 

 民事再生したのは、札幌南GCとコースを所有する定山渓ゴルフ場。2社を合わせた負債は13億円で会員預託金が10億円、北洋銀行の金融債務2億5000万円、その他がリース等の一般債権。
 
 12月2日に行われた債権者説明会では、再生を引き継ぐスポンサー候補として現理事長で定山渓ゴルフ場の社長も務めている高橋松一郎氏の出身会社であるカネシメ高橋水産があげられ、その場合の預託金会員への配当率は10%と説明された。申請代理人の弁護士は他のスポンサーが出てきた場合は配当率も変わってくる可能性を示唆していた。
 
 今回、名乗りを上げたダイナスティリゾートは、一昨年にファンドが運営していた札幌後楽園GC(北広島市仁別、27ホール)を取得、『ダイナスティゴルフリゾート』として年次会員制を導入するなどして入場者数を大きく伸ばしている。
 
 札幌南GCのスポンサーとして名乗りを上げたのは、北広島市と札幌市の2つのゴルフ場を運営することで会員の利便性を高めることができるため。
 
 札幌地裁は、札幌南GCの再生スケジュールとして来春オープンに間に合わせるため来年2月1日を再生計画案の提出期限にしている。それまでに新しいスポンサーを選定しなければならず、ダイナスティリゾートは年内に計画案を作成し地裁から選定された監督委員に提出する。監督委員がカネシメ高橋水産とダイナスティリゾートの計画案を審査して債権者に有利な再生計画であることや継続運営が可能かどうかを判断して1社を選ぶことになる。
 
スポンサー間の競争が生まれることで、債権者にとってより有利な配当率が示されたうえで再生が進むことになりそうだ。


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