民事再生計画案の否決から会社更生法の開始決定と迷走を続けてきた御前水ゴルフゴルフ倶楽部(千歳市美々)が、7月末から暫定営業を開始した。更正管財人の大川哲也弁護士とスポンサー候補者のアイランドゴルフ(東京都港区)が暫定業務委託契約を締結、当面今シーズン終了まで営業を続ける。更生計画案は11月2日までに札幌地裁に提出され、予定では12月22日に開かれる債権者集会で賛否が問われ賛成多数となれば再建に向けた本格的なスタートが始まる。(写真は、暫定営業が始まった御前水ゴルフ倶楽部)
御前水ゴルフ倶楽部は、昨年3月に民事再生法を申請し再建に歩を進めた。しかし、会員らは従来の経営陣が継続して運営に当たることに猛反発、今年3月の民事再生計画案の賛否を決める債権者集会では、計画案が否決されるという裁判所が絡んだ再生事例としては前代未聞のことが起きた。
会員らの前経営者に対する不信感が抜き差しならぬものだったためで、この段階で会員らは前経営者を排除できる会社更生法による再建を選択し、札幌地裁に債権者申し立てによる再建申請を行った。
当初は、地裁も有力スポンサー不在として申請を棄却、破産やむなしという客観情勢だったが、会員らは東奔西走して新たにアイランドゴルフをスポンサー候補に選び、地裁は一転して管財人に大川弁護士を選び更生計画の開始決定を6月末に出していた。
御前水ゴルフ倶楽部は、昨年は暫定営業をしたが、今季は営業できない状態が続いていた。大川弁護士は今季途中でも営業することがゴルフ場の資産価値を毀損しない手段だと考え、スポンサー候補のアイランドゴルフと協議、7月末の暫定営業にこぎ付けた。
ただ、シーズン途中のため昨シーズン在籍していたキャディは、他のゴルフ場に転出するなどしていたため、必要最小限のキャディ付プレーとカート利用によるセルフプレーを併用する体制にしている。レストランは営業しないが軽食や飲料を持ち込み休憩所として利用できる。ロッカールームも利用できるが、浴室は使えない。
当面今シーズン終了までは、この体制で暫定営業を続ける。今後、11月2日に提出期限となっている更生計画案が会員らに示され、12月22日に債権者集会が開かれる予定で、アイランドゴルフをスポンサーに本格的な再建が進んでいくものとみられる。