民事再生法を申し立てていた御前水ゴルフ倶楽部を運営する美々リゾート開発(蔦森清克代表取締役)の債権者集会が12日に苫小牧市民会館で行われ、民事再生計画案への賛成票が210票で届出債権者数の過半数に及ばず否決された。民事再生計画案が否決されるのは珍しい。「御前水ゴルフ倶楽部会員の権利を守る会」が会社更生法の申し立てを予定しており、同倶楽部の再建は振り出しに戻った。(写真は、苫小牧市民会館で行われた美々リゾート開発の債権者集会)
債権者集会は午後2時30分から行われ、これまでに郵送で賛否の意思表示をしていた債権者と当日出席者の賛否を合計し、集会を主催した札幌地裁苫小牧支部が集計結果を午後3時30過ぎにその場で発表。
債権者数は635人、債権総額は19億4794万6509円で、民事再生計画案への賛成票は210人、債権額5億9434万2750円。民事再生計画案の成立に必要な債権者総数、債権総額の過半数に届かず、民事再生計画案は否決された。不参加は124人だった。
債権者集会では賛成票のみの発表だが、反対は301人になり91票の差がついた。
御前水ゴルフ倶楽部の再建を巡っては、美々リゾート側と会員側の「権利を守る会」が再建手法で対立。美々リゾート側は、現経営陣の続投で再建する案を提示していたが、「守る会」は現経営陣の一掃を主張、債権者集会の間際までもつれ込んだ。
民事再生の計画案が債権者集会で否決されるのは稀で、道内ゴルフ場の再生事件では初のケースと見られる。
「守る会」の事務局長を務める本谷秀作氏は、「債権者である会員の多くが今の経営者ではダメと考えた結果だ。今の経営者は信用できないし債権者の不信の念が強いことがあらためて分かった。今後は会社更生法申請にむけて近く一般社団法人を設立して会員の手による再建へ向かっていく」と語っている。
また、「守る会」に入会していない会員に対しても、「一緒に再建に取り組んでいきたい」とした。
民事再生計画案が否決されると破産へ移行するのが一般的だが、「守る会」では既に札幌地裁と事務的に交渉を進めてきており、更正法申し立てに必要な予納金3000万円も準備したという。「守る会」では2~3日の間に会社更生法を申し立てる考え。