「御前水ゴルフ倶楽部」債権者説明会は配布資料わずか2枚で会員らの非難集中

ゴルフ業界


民事再生法の適用を申請した苫小牧市美沢の御前水ゴルフ倶楽部を運営する美々リゾート開発は24日、札幌市内で債権者説明会を開いた。会社側はスポンサーを募らず自主再建の方針を示したが、集まった会員らに配布されたのはわずか2枚の資料。会員たちからは「民事再生を安易に考えている」と再度の説明会開催を求める声が相次いだ。(写真は、当日配布された資料2枚)


美々リゾートは1989年に設立され、集めた預託金50億円超のうち約半分を使ってゴルフ場を造成、92年に御前水ゴルフ倶楽部をオープンさせた。
10年目の預託金償還の際には、償還請求した会員に対して4割を返還。会員権を2分割して残り6割を10年後に返還することを決めた。昨年秋にその10年目を迎えたが、6割償還のメドが付かず会則をさらに変更し、額面100万円の永久会員権に再分割することを提案していた。
しかし、会員の中にはこの再分割に納得せず預託金返還請求訴訟を提起するケースが5件起こり、裁判の結果によっては強制執行されて他の会員の債権が保全できなくなるとして民事再生の適用申請に踏み切った。
札幌地裁苫小牧支部への申請は17日だったが、倶楽部のフロント現場には前日まで民事再生について知らされていなかったために、会員やビジター利用者に今シーズンのオープン案内や割引券が送付されるなど会社側のチクバクな対応が会員の不信感を増幅させている。
そんな中で行われた債権者説明会で、美々リゾートが集まった会員らに配布したのはわずか2枚の資料でそのうち1枚は式次第が書かれたもの。実質は資産と負債の概要を記したペーパー1枚だった。
蔦森清克代表取締役や申請代理人の高﨑良一弁護士が口頭で民事再生に至った経過を説明し、スポンサーを募らずに自主再建の意向を示すと、会員たちからは「資料がわずか2枚で説明責任も果たしていない。そのうえ自主再建を目指すというのでは、民事再生を甘く考えているのではないか」と非難が集中したという。
御前水ゴルフ倶楽部のコースは、ゴルファーの間で評価が高く、最終的には民事再生に必要な債権者・債権総額の2分の1以上の賛成は得られる見通しだが、そのためには美々リゾートに真摯な説明を果たすことが強く求められる。
同倶楽部の会員数は740人で負債総額は22億8000万円。

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