世界的建築家で東京大学特別教授・名誉教授の隈研吾氏を囲む「隈研吾 さっぽろ未来まちづくり懇話会」が10月29日、発足した。一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(略称HFMA)の会員を中心に約40人が参加、1972年の札幌冬季五輪を契機に建設された多くの建物が更新時期を迎えていることから、隈氏の考え方などをまちづくりに反映させるのが狙い。(写真は、「隈研吾 さっぽろ未来まちづくり懇話会」で挨拶する上田文雄氏)
この日、札幌市西区の札幌ホテルヤマチで同懇話会の発起人会が開催され、発起人の了承により懇話会設立が決まった。懇話会の目的は、札幌の賑わいと自然が両立するまちづくりを行い、SDGs(持続可能な開発目標)と地域課題に共同で取り組むこと。会長には、藤崎昌甫・HFMA専務理事、副会長には池内和正・丸ヨ池内社長、佐藤孝之・ビルドプロテック社長がそれぞれ就任した。
名誉会長に隈氏、名誉副会長には上田文雄・元札幌市長(HFMA相談役、弁護士)、特別顧問には沖塩壮一郎氏(HFMA名誉顧問、日本ファシリティマネジメント協会創設者)が就いた。上田名誉副会長は、「まちづくりはハードとソフトが必要で、地域に住む人たちの納得感をどうつくり上げていくかがポイント。私は市長時代の12年間、市の財政が厳しい状況の中でコンパクトシティやアセットマネジメント(資産運用)を手掛け、ファシリティマネジメントの考え方を取り入れながらまちづくりを進めてきた。コロナ禍という新たな課題や人口減少が続く中にあって、地球環境やSDGsの解決にも取り組んでいかなければならない。隈さんという未来を語るのにふさわしい人をお招きしてみんなで語り合い、まちづくりを考えていきたい。隈さんのような知的財産を北海道に投入していただける受け皿をつくることができるのは喜ばしい」と挨拶した。なお当日、隈氏は所用で欠席した。今後、隈氏を招いた講演会や懇談会を定期的に開催していく。