IMG_0605 インターネット上で一般消費者向けに健康食品や化粧品を販売する「Eコマース」事業を行っている北の達人コーポレーション(札幌市)。同社は2年半前に札幌証券取引所アンビシャス市場に上場、この11月には東京証券取引所市場第2部にステッブアップするなど道内企業の成長モデルとして注目を集めている。木下勝寿社長(46)に事業の概況と成長戦略などを聞いた。2回に分けて掲載する。(写真は、インタビューに答える木下社長)

――直近の事業概況から教えてください。

木下 第2四半期(2014年8月中間期)は、売上高9億2900万円、経常利益2億3800万円で前年中間期比10・3%増収、70・3%の増益となり数字的には計画通りです。本当は計画を上振れするような結果を出したかった。

――営業利益、経常利益ともに70 %増でしたが、もっと上を狙っていたのですか。

木下 売上げも利益ももう少し上げたかった。最低限の計画発表をしながら、結果的に上方修正していきたかったが、そこまでは到達しなかった。

――事業を取り巻く環境は、追い風ですね。

 木下 そうですね。Eコマース市場は相変わらず伸びているし、スマートフォンの普及でさらに拡大していくと感じている。また、健康食品の機能性表示制度が控えているので、かなりインパクトがあるのではないか。準備を進めているが、機能性表示制度で市場が伸びるかどうかというより、業界が健全化され、健康食品自体のイメージが一新されることに大変意味があると思う。

――業績アップの牽引役になっているのはどのような商品ですか。

木下 今は「カイテキオリゴ」が売上げの半分くらいを占め、「みんなの肌潤透シリーズ」が3分の1くらいで「二十年ほいっぷ」が伸び始めている。「二十年ほいっぷ」は口コミが一番多い商品で、私自身も同窓会などに行ったら友人が使っていたり、街中の銭湯に当社の社員が行ったら隣の人が使っていたなど一般に広まってきている。

――今年8月にナチュラルハーブサプリメント「ずきしらずの実」が新発売になりましたが、かなり伸びが大きいそうですね。
木下 そんなに売れないだろうと思いながら発売したが、2ヵ月ぐらいでリピートと問い合わせが多くきている。かなりマニアックなマーケットだが、こういう商品は他には殆どないので伸びているようだ。

――現在、収益の柱としては何商品あるのでしょうか。また、次の新商品ラインナップは如何ですか。

木下 今は9商品がメーンのラインナップ。新商品については4~5商品くらい準備をしており、近く1~2商品は出す予定。年度内にさらには2~3商品は出したい。

――新商品開発のターゲットや方向性は?

木下 健康食品にしても化粧品にしても基本的には『悩みありき』が当社の開発のスタート。つまりユーザーの悩みが具体的にあって、それに対する商品を開発していくという医薬品に近いアプローチを取っている。一般的な青汁のように何となく健康に良いというような商品は扱わない。消費者が本当に困っていることに対応した商品を開発して販売していくのが当社の基本姿勢。
 例えば便秘には便秘薬があって便秘を単純に治したいのであれば便秘薬を服用すれば良いわけだが、あくまでも医薬品は問題が起きてからの対処法だ。それをそもそも問題が起きないように体質的に何とかしたいというニーズに応えていくのが当社の商品ということだ。

――開発部門は自社内にあるのですか。

木下 商品開発の部門があって、まず新商品のロジックを作り実際にどういう成分でどういう会社に生産を頼むかを管轄する部門だ。生産は外部に委託している。(次回に続く)

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