北海道・砂川市で生まれたコスメティックブランド「SHIRO」を展開するシロ(本社・東京都港区)が、「みんなの工場」に続いて、SHIROの世界観を共有できる施設を砂川市で手掛ける。同社が所有・運営する「砂川パークホテル」のリニューアルがそれで、ホテルに併設して、木造平屋建てのサービス付き高齢者向け住宅を建設、地域に住む人たちとこの地を訪れる人たちの交流拠点とする。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、「砂川パークホテル」リニューアル計画の地域説明会。発表しているのは、設計を担当するアリイイリエアーキテクツ一級建築士事務所の有井淳生氏と入江可子氏)
(写真は、シロの福永敬弘代表取締役)
JR砂川駅の駅前にある「砂川パークホテル」(砂川市東2条北3丁目)は、地元経済界などの出資で1986年9月に開業したシティーホテル。大規模な宴会場を有し、地域経済の中心的な役割を果たしてきたが、宴会需要の減少にコロナ禍が影響して経営難に陥ったことから、2022年6月、シロが経営権の譲渡を受け、子会社アメニティ開発が運営を始めた。築38年を迎え、設備の老朽化も進んできたことから、2024年4月1日にシロがアメニティ開発を吸収合併したうえで、リニューアルを行うことを決定。2024年4月17日、砂川市地域交流センターゆう大ホールで地域説明会を開催、約100人が参加した。
ホテルのコンセプトを「砂川と世界を結ぶコミュニティハブ」とし、SHIROの「みんなの工場」を訪れる年間30万人(うち道外が25%)の一部を宿泊に結び付ける。ホテルには、新たに2階にサウナ付きの温浴施設を設け、レストランは天井に高窓を設けて自然光を取り込む。宴会場は84席分を確保し、宴会以外のイベント需要も見込む。1階には、シロ初のアウトレットショップを出店、ビンや外装にキズが入った製品などを正規価格10~30%引きで販売する。また、地域の農産品や特産品を集めたマルシェも展開する。客室数25室は変わらない。
隣接するサ高住は、1棟2部屋の建物を5棟建設、ホテルと連結している共用ロビーで各棟が繋がるように配置する。全室角部屋で、窓を2面にして床、壁、天井に道産トドマツを使う。介護サービスなどは市内の事業者と連携する。現在のホテル駐車場を利用したサ高住建設は、2025年初めから行い、同年冬に完成させ、2026年初めにホテルの宿泊機能を当面サ高住に代替させる。その後、ホテルの改装工事に着手、2027年1月にオープンさせる。レストラン・宴会部門は、1年間休業になる。リニューアル後に、サ高住としての利用を始める。総事業は20億円を予定している。
シロの福永敬弘代表取締役は、「ホテル自体で利益を上げようという考えはなく、人流を生むことによってシロが生まれた砂川の活性化に繋がればという思いだ。それによって、必ず当社の化粧品事業にも何らかのメリットをもたらしてくれるだろう。ブランド全体のスケールメリットの効果を期待している」と話していた。