スキージャンプのソチ五輪日本代表の葛西紀明選手(41)と伊藤有希選手(19)が所属する土屋ホームは21日、札幌市北区の札幌アスペンホテルで壮行会を開いた。同社の佐藤孝司社長や副会長でスキー部総監督の川本謙元社長のほか両選手の故郷である上川管内下川町の安斎保町長など約100人が出席、葛西選手は「五輪は7回目の出場で土屋ホームに入ってからは4度目。まだメダルを取っていないので今回はメダルを取って恩返ししたい」と決意を語っていた。(写真上段左は記念撮影に応じる葛西選手=左から3人目と伊藤選手=左から2人目、写真右は日の丸に書かれた寄せ書きを手にする両選手。写真下段左は葛西選手、右は伊藤選手)
会場となったホテルの部屋は社員や約30人の報道陣で入りきれないほどで異様な熱気に包まれた。同社の佐藤社長が葛西選手の紹介で年齢を47歳と言い間違えると会場は爆笑に包まれ、当の葛西選手も照れ笑いを浮かべた。
川本スキー部総監督は、「葛西を12年前から見ているが、今回は今までと全然違い、心技体がマッチしているようだ。ソチでは明るい話題を提供できるだろう。また、伊藤は昨年4月からだが、試合ごとに強くなっており期待している。2人とも本番ではリラックスして臨んでほしい」と語り、「ソチだけに、そちに任せる」とダジャレで締めくくった。
両選手の故郷から出席した安斎町長は、「2人が下川町で生まれた時はダイヤモンドの原石だったが、それをしっかり磨き上げてくれたのが土屋ホーム。これまでやってきたことを着実に実践すれば必ず成果は着いてくるだろう。全町挙げて応援する」と語った。
その後、スキー部後援会がエールを送り、国旗に書いた社員らの寄せ書きや花束を手渡した。
葛西選手は、「壮行会にたくさんの方が見えてパワーをいただいたので、このパワーをソチで出しきりたい。毎回金メダルを取るのが目標だと言ってきたが今回は非常に調子が良く、ワールドカップでも優勝できた。ソチでは自分の夢を叶えたい」と述べた。また、伊藤選手は、「小さい時から葛西監督に憧れてオリンピックで金メダルを取りたいという夢を持ってスキーを続けてきた。初出場のオリンピックを葛西監督と一緒に出場できることをすごく心強く思っている。是非メダルを取って日本に帰りたい」と答えていた。
報道陣から、葛西選手がメダルを獲得したら会社は報奨金を出すのか、という質問が出ると、佐藤社長は「気持ちとしては、たんまりと出したい」と答え、葛西選手も「報奨金が出たら土屋ホームの豪邸を建てたいですね」と会場の笑いを誘っていた。