根室市役所旧庁舎の地下1階が書庫・防災備蓄倉庫に

社会・文化

 根室市庁舎の隣接地への移転新築で解体された旧庁舎の地下が、書庫・防災備蓄倉庫として2026年1月中旬から本格稼働する。約300人分の水や食料が保管されるほか、書庫には、かつての根室町時代の書類も保管される。(写真は、防災備蓄倉庫として利用が始まる旧庁舎地下1階。古い梁と新しい梁が見える)

 旧庁舎は、3代目の庁舎として1973年7月に完成した。以来、半世紀にわたって使われてきたが、老朽化が進んでいたことから隣接地に新庁舎を建設、2024年5月から業務を開始した。これに伴って地下1階、地上4階の旧庁舎は、地下を除いて解体され、2025年4月頃には、地上部分が解体撤去された。

 地下1階は、売店や水道部局、労働組合などが入っていたが、当初から新庁舎での業務開始後に書庫・防災倉庫として整備することが決まっていた。地上部分の撤去後に、地下部分の柱や梁を補強。新庁舎の地下1階と廊下で結ぶなど、一連のリノベーション工事を実施、このほど竣工し、2026年1月中旬から利用開始になる。書庫は、移動ラックが47基用意され、新庁舎の各部に保管されている書類を移す。100年以上前の根室町時代の行政文書も保管される。

 防災備蓄倉庫は4室に区切られ、水や食料、毛布、簡易ベッドなど約300人分を順次補充していく。水に関しては、凍結しない温度で補完するため、冬期間は、パネルヒーターで室温が0℃以下にならないように調整する。こうした備蓄品はカゴ台車で保管、災害時に迅速に運び出せるようにする。旧庁舎、新庁舎共に段差を利用して建設されているため、地下1階の北側は、地上駐車場と直結しており、出入り口も設けられている。
 
 旧庁舎地下1階の延べ床面積は約1074㎡、解体費込みの整備費は約9億4千万円。地下1階の利用開始後には、地上部分が駐車場として整備され、2026年3月頃には、現在より倍増の約100台分が確保されるようになる。

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