道銀2026年3月期中間決算、純利益過去最高の100億円

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 北海道銀行(本店・札幌市中央区)の2026年3月期第2四半期(中間期)決算は、コア業務純益(一般企業の営業利益に当たる、業務純益から特殊要因で変動する一般貸倒引当金繰入額、国債など債券関係損益の影響を除いたもので、銀行本来の業務による収益力を表す数値)が、前年同期比40億円増加し123億円、中間純利益は同55億円増加して、100億円になった。中間利益としては、過去最高になった。(写真は、中間決算を発表する道銀の兼間祐二頭取=2025年11月10日、ほくほく札幌ビル)

 預金は6兆1310億円と前年同期比1・1%、額にして669億円増えた。貸出金は4兆4960億円で同4%、額では1734億円増えた。預貸率は73・3%となり、同2・1ポイント増加した。貸出金利回りは1・132%、預金など利回りは0・172%で、利ザヤ率は0・960%になった。貸出金利息収入は273億円で、前年同期より53億円増えた。SX(サスティナビリティ・トランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)関連投融資は1671億円、半導体関連の集積が進み始めている千歳市周辺の賃貸住宅向けなど、半導体関連と位置付けている投融資は324億円だった。貸し出しについて、道銀の兼間祐二頭取は、「トランプ関税の影響で設備投資に陰りが見えたというほどではないが、当初予想よりも増えていない」と話した。

 有価証券運用は、含み損が続いていたが、欧州債を中心に入れ替えが順調に進み、利回りが改善、利息収入は39億円と前年同期より7億円増加した。前年は大型の不良債権処理があったが、今中間期では不良債権が減少して引当率が低下、貸倒引当金も前年同期より43億円少ない5億円となり、利益圧迫要因が減った。

 北陸銀行(本店・富山市)を含めたほくほくフィナンシャルグループ(FG)の中間純利益は303億円で、前年同期より117億円増加した。これは、2008年の375億円には及ばないものの、この10年間の中間純利益としては最高だった。兼間頭取は、「道銀の中間純利益は過去最高になったが、気を抜くことは一切しない。ほくほくFGとしては、通期で500億円の最高益を目指しているが、これは保守的に見た数字。中期計画3年間(2025年4月~2028年3月)の最終目標である550億円にキャッチアップできる水準にしたい」と話した。

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