医療法人「徳洲会」が9月半ばから公選法違反(買収)容疑で東京地検特捜部の家宅捜索、強制捜査を受けているが、道内でも逮捕者が出る可能性が濃厚になっている。その人物は北海道の徳洲会グループの関係先で作る「北海道徳友会」の幹部で徳田毅衆議(鹿児島2区)の家族と親しい関係にあるという。東京地検特捜部によるXデーは11月下旬とされており道内でも激震が走りそうだ。(写真は9月24日に家宅捜索を受けた札幌徳洲会病院)
徳洲会には、昨年12月の衆院選で徳田虎雄理事長(75)の次男で衆議の徳田毅氏(42)の選挙運動に徳洲会グループの病院職員などを派遣、欠勤扱いとした給与分をボーナスで穴埋めした買収の疑いがもたれている。
徳洲会グループを巡っては、元専務理事が自身の懲戒解雇の無効を訴えて裁判を起こすなど内紛が明らかになっている。理事長の徳田虎雄氏は自由連合代表として徳洲会グループの資金を借り入れていたが解散後も未返済の債務が残っている。この債務の返済や徳田ファミリーの病院を利用した資金捻出を巡って理事長や徳田ファミリーと元専務理事の確執が表面化、懲戒解雇を巡って地位保全等の裁判になったもの。
医療法人の徳洲会には国の補助金が入っており、これまでも徳田理事長が衆議を務めていた時代から不透明な資金の流れは問題になっていた。しかし、徳田氏と故橋本龍太郎元首相との関係もあって表面化することはなかった。
徳田虎雄氏の後継となった次男は現在3期目だが今年に入って未成年の女性を準強姦し和解していたことが明るみに出て国土交通省政務官をわずか1ヵ月で辞任している。この女性に和解金を持参したのも元専務理事だったとされている。
今回の公選法違反容疑では道内6病院を含む全国40病院から200人以上の職員が鹿児島2区に派遣され有権者宅を戸別訪問。派遣された職員は欠勤や休暇扱いとして給与は減額されたが、その分はボーナスで穴埋めされたとみられている。
9月24日には札幌東徳洲会病院(東区)や札幌徳洲会病院(厚別区)などが家宅捜索を受けた。そうした中で浮上しているのが北海道徳友会幹部の逮捕説。その幹部は徳田虎雄氏や毅氏ら親族と親しい関係にあり、資金デリバリーにも関与したとみられている。東京地検特捜部によるXデーは11月下旬とされており複数の逮捕者が出る可能性が濃厚だ。
なお、徳洲会の徳田虎雄理事長は既に辞任の意向を表明している。徳洲会は国内66病院、海外1病院を運営、医師数約2300人、職員数2万7000人を抱えており、今回の公選法違反が固まり逮捕者が出ればグループ瓦解にも繋がりかねない。このため当局と事態の早期収拾を図る密約も交わされているようで元専務理事が理事長としてカムバックするシナリオもまことしやかに語られている。