マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2025年7回目は、豊平区水車町8丁目の旧「札幌水車町郵政宿舎」。(写真は、解体工事が始まっている旧「札幌水車町郵政宿舎」)
水車町には、開拓期から大正の初期まで、豊平川の分流を利用した水車が何台もあって、精米や製粉に利用されていたという。そんな歴史を宿した水車町(行政上はすいしゃちょうだが、通称はすいしゃまち)の8丁目にあるのが、「札幌水車町郵政宿舎」。長方形に近い不均等な土地で、土地面積は約2370坪(7822・35㎡)。ここに3階建ての宿舎が5棟建っているが、いずれの棟も2024年頃には、退去が終わっていた。
解体工事は、2025年1月23日から始まっている。発注者は日本郵便(本社・東京都千代田区)、解体業者は丸彦渡辺建設(同・札幌市豊平区)。工期は、翌2026年3月10日までとなっている。土地は2筆に分かれており、ラルズの旧本社で現在は東光ストア本社やエルディ本社などに使われている建物に近い約1645坪(5429・44㎡)の土地は、国家公務員共済組合連合会(本部・東京都千代田区)、その北側の約725坪(2392・91㎡)は日本郵便が所有している。用途地域は、第一種住居地域。33m高度地区で、容積率200%、建ぺい率60%。解体後の土地利用に注目が集まっている。