生鮮食品以外の食品を格安で販売する「業務スーパー」の札幌1号店「すすきの狸小路店」(札幌市中央区南2条西2丁目)が22日午前9時にオープンした。狸小路商店街の2丁目に居抜き出店したもので飲食店など業務用需要と一般の買い物客を見込んでいる。運営は、京濱港運(本社・横浜市)の子会社ケヒコ(同)。京濱港運は物流会社だが、ケヒコで川下分野の食品スーパーに進出、札幌展開の嚆矢として第1号店を狸小路商店街にオープンさせた。(写真は、オープンした業務スーパー「すすきの狸小路店」とオープンチラシ)
業務スーパーは、神戸物産(本社・兵庫県加古郡稲美町)がフランチャイズ(FC)で全国展開する食品スーパー。飲食店などの業務用とともに一般消費者を対象にしているが、神戸物産が海外の子会社などを通じて加工したプライベートブランド(PB)を中心に格安で販売しているのが特長。
道内ではホームセンターのサンワドー(本社・青森:県青森市)の道内店である函館、北斗、登別、砂川の各店舗内にFC店を営業している。
今回、初の札幌進出でケヒコがFC運営する。「すすきの狸小路店」は、店舗面積が約210㎡でコンビニエンスストアよりもやや広いスペース。神戸物産のPBである冷凍食品やグローサリー食品などのほか、コメやビール、卵も置いている。
神戸物産横浜営業所業務スーパーFC事業部門の山村正彦氏は、「狸小路やすすきの周辺の飲食店がメニューに組み込まれるような商品を揃えている。SKU(在庫保管単位)は約2000に絞り込んでおり、業務用と一般用が両立できれば良いと考えている」と語る。
オープンに寄せられた祝い花スタンドの名札には、エス・インターナショナルやワイ・エス・グッドといった京濱港運関連会社やその取引先であるサムワンコーポレーション、サニーデイズインターナショナルの名前のほかに、横浜銀行と北洋銀行の名前も見られた。
山村氏は、「札幌の食品スーパーの主流は駐車場を備えた郊外型。FC展開を希望する企業があれば積極的に検討していきたい」としている。
なお、「すすきの狸小路店」に隣接してラルズプラザ札幌店があり地下が食品売場。こちらは生鮮食品や惣菜を豊富に揃えており、激しい競合はないものとみられる。