石屋製菓(本社・札幌市西区)のグループ会社で、米飯・和菓子製造・販売のサザエ食品(同・同)が、2024年11月1日からブランドを刷新した。ロゴマークや店舗外観の変更だけではなく、約60の全店舗で看板商品のおはぎ、おむすびを工場生産から店内調理に全面的に切り替える。製造部門を含めて、ブランド価値を高めることにした。(写真は、創業者野村とみさんのおはぎをモチーフにした新商品「とみのおはぎ」を手に持つ石水創社長)
サザエ食品は、2年前からリブランディングの検討を開始。サッポロドラッグストアー(本社・札幌市東区)が、2016年に「サツドラ」にリブランディングした際に協力したエイトブランディングデザイン(同・東京都港区)に依頼、ブランドコンセプトを「手のひらに、想いをのせて。」に定めた。それに従って、これまでは、工場生産していたおはぎやおむすびを全店舗でインストア生産することにした(札幌以外の店舗では、インストア生産を今までも行っている)。
サザエ食品の石水創社長(石屋製菓社長)は、「おはぎなどは、一部店舗を除いて工場の包餡機で作っていたのですが、社内で手作りしたおはぎと食べ比べをしたところ、手作りの方がおいしく、また不揃いが目立った機械製よりも、形がよく整っていたため、リブランディングに合わせて、全店舗での手作りを決めた」と話す。
おはぎ、おむすびは、新しいロゴマークにも象徴的に描かれている。サザエのサとザの抜け部分を、おはぎとおむすびの形のデザインにした。店舗外観についても、食堂を思い起こさせる、ブランドカラーで仕上げた暖簾を目印に、明るく品質感を高める木との調和空間にする。北海道全域で展開する「サザエ」であることを表すため、主要商品をグラフィカルにデザインした「サザエ北海道地図」も掲げる。店頭POPやビニール袋、紙袋も一新した。
リブランディングに伴う新商品では、1957年に、函館朝市で同社の前身、「サザエ食堂」を始めた創業者・野村とみさんが、従業員におやつとして振る舞ったことが始まりのげんこつ大おはぎ「とみのおはぎ」を発売する(1個税込み297円)。また、定番の十勝おはぎをワンハンドで食べやすくした「スティックおはぎ」(同205円)も展開。
おむすびでは、一番人気の「えび天おむすび」をさらにおいしく進化させた「天タレごはんのえび天むす」(同356円)を加え、「赤飯」は、従来の製法を見直し、小豆の煮汁で蒸かすことにより、自然な色合いに仕上げた(1パック税込み378円)。また、「おやき」は、原料を見直して冷めてもおいしく食べられるようにした(1個税込み183円)。