家族で看取りができる住宅型有料老人ホーム「スリールしあわせ館」開設、札幌佐藤病院グループ大蔵商事が運営

社会・文化

 医療法人社団大蔵会札幌佐藤病院(札幌市東区)グループの大蔵商事(同)は、家族で看取りができる住宅型有料老人ホーム「スリールしあわせ館」(同区伏古10条3丁目11-18)を開設、2024年8月23日・24日の2日間、施設の内覧会を行う。入居は、同年9月1日からを予定している。(写真は、家族で看取りができる住宅型有料老人ホーム「スリールしあわせ館」の外観)

 大蔵商事は、札幌市内で10数ヵ所の高齢者対応住宅「スリール大学村館」(※スリールは仏語のスマイル)や「絆・三角点通り館」などを運営している。そうした中、入居者の家族が、施設で入居者の最期を看取りたいと希望するケースが最近は増えているという。「10年ほど前は、病院で最期を迎えてほしいと思う家族が多かったのですが、最近は、入居者が長年住み慣れた施設で最期を迎えてほしいと考える家族が増えています」と大蔵商事の新田里奈・統括施設長。

 その場合、課題になっているのは、居室が狭いこと。最期が近くなると、家族が、何日間かを入居者と一緒に過ごすことが多いが、大人数の場合には、対応が難しかった。今回、竣工した「スリールしあわせ館」は、居室の他に家族で過ごせる個室2室を新たに設け、大人数の家族でも看取りができるようにした。家族で看取りができるこうした施設は、全国的にも珍しいという。

 家族個室には、入居者と一緒に生活できるように、家族用のベッドや冷蔵庫、キッチン、浴室などを備えており、自宅にいるような空間で、入居者の最期を看取ることができる。新田施設長は、「キッチンで料理を作っている音が、入居者の耳に届き、まるで自宅にいるかのような安らかな気持ちになれると思います」と話す。居室は36室あり、広さはいずれも約17㎡、家族個室は32・40㎡と37・08㎡の2室。また、施設内には、家族葬が行えるスペースも用意しており、施設から離れた葬儀場を手配する必要がない。

 施設には、スタッフ約20人が常駐し、医療機関や介護・福祉サービス事業所との連絡調整や家族との連絡も行う。また、24時間対応の訪問看護ステーション、訪問看護が利用できる。看護師は、約10人で対応する。食事は、朝、昼、夕の3食を提供、全室にエアコン、スプリンクラーを完備している。家賃と食材料費、水道・光熱費、共益費合計で1ヵ月11万1000円、冬期(10月~4月)は暖房・除雪費を含み1ヵ月12万2500円。施設には、看取りの民間資格、終末期ケア上級専門士も常駐する。

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