あなたならどう書く、「イトーヨーカドー」へのサヨナラメッセージ

社会・文化

「イトーヨーカドー福住店」の閉店(2024年9月23日)まで1ヵ月近くになり、同店の1階にメッセージコーナーが設けられた。今のところ、メッセージを貼り付けるボードには空きがあるが、閉店の頃、広いボードは、メッセージを書いた紙で埋め尽くされるだろう。(写真は、「イトーヨーカドー福住店」のメッセージコーナー)

 百貨店や総合スーパーが長年の営業を終える時に、お客からメッセージを集めるようになったのは、いつの頃からなのか。店長と従業員一同が、お客にお辞儀をしてシャッターが閉まるシーンに加えて、メッセージを貼り付けたボードは、お別れに欠かせないものになっている。百貨店や総合スーパーは、買い物客に商品を提供するBtoCの行為で、お客の声は、クレームとして届く場合が多い。一方で、閉店時のメッセージは、その流れとは逆のCtoBの行為で、B側である百貨店や総合スーパーは、この時、初めてお客であるC側の生の声を数多く体感することになる。その声は、感謝の気持ちを伝えるものに溢れている。

 ひと足早く閉店した「イトーヨーカドー屯田店」の店長は、閉店の数日前に、小さな子どもから直接もらった感謝のメッセージを、ポケットに入れて大切にしていると、お別れのスピーチで話していた。それほど、B側の人たちにとって、C側の人たちの感謝の声は染みるのだろう。

 福住店のメッセージコーナーには、色紙で折った「鳩」マークのほか、「ハトソンくん」「ほしいゾウ」「よろこビーバー」など、イトーヨーカドー公式キャラクターも勢揃いしている。28年間の営業期間は、決して短いものではない。寄せられる手書きメッセージの一つひとつに、お客の思いが詰まることだろう。飾ることのない素直な気持ちほど尊いものはない。あと何回か訪れる時に、書いてみる。

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