多くの市町村には、飲食店や物販店が進出してくるという噂がある。住民の期待感もあって、噂は真実性をもってまちに伝播していく。日常生活に悪影響を及ぼすようでは、デマやガセになってしまうが、住民の潤滑油になるような噂なら、それほどの罪はない。そんなライト級の噂をリサーチしてみた。(写真は、DCM静内店の駐車場敷地)
日高郡新ひだか町静内。まちで聞き込みをすると出てくる、出てくる。「トライアル」、「びっくりドンキー」、「焼肉きんぐ」などなどの進出話。そのうち、「トライアル」と「びっくりドンキー」を、真面目にリサーチしてみた。
静内では、「トライアル」の進出話がかなり広まっている。出店場所も特定されているが、さらに聞き込みをしていくと、「あの話はなくなったようだよ」という声も入ってきた。トライアルに聞いてみると、「確かに静内への出店を計画しています。ただ、建設コストが本社のある九州地区と比べて倍近くにもなっているので、出店時期を見ている状況です」と答えてくれた。「トライアル」は、10数年前にも地元スーパー「ピュア」跡への出店を計画したことがあったが、取りやめた経緯がある。今度は再挑戦を期すという思いもあるようだ。
静内には「イオン静内店」や「マックスバリュ静内店」、「コープさっぽろしずない店」のほか、昨年5月にオープンした「業務スーパー静内店」がある。そこに「トライアル」が出てくれば、厳しい戦いになるのは必至だが、住民にとっては選択肢が広がり、朗報となりそう。噂は本当だったが、時期が未定ということで「△」。
「びっくりドンキー」の噂もまちに浸透している。場所も多くの住民が特定している。それは、隣接地に建て替え増床した「DCM静内店」の駐車場敷地内。現場に行ってみると、確かに広い駐車場があった。ここなら飲食店舗の誘致も十分可能。「びっくりドンキー」に聞いてみると、「開発担当に確認してみましたが、現時点で出店の予定はありません」ということだった。住民が熱望する「びっくりドンキー」出店の噂は、現時点では「×」という結果になった。
静内で、ある程度まとまった土地を所有しているのは、軽種馬生産農家が多いそうだ。「彼らは、そう簡単に土地を売りませんよ。横の繋がりも強いから、新規参入組が土地を借りたり、購入したりするのはかなりハードルが高いかもしれませんね」。噂のリサーチをしていると、こんなこぼれ話も漏れてきた。